風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

27.あざと可愛い系女子＋ ページ27

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可愛い継子が身命を賭して任務へ赴いていたと言うのに…！と、言うのは後付けだった。


動揺と疑問、そして真っ黒な感情が心中で渦巻いた。


昨日からずっと一緒だったのだろうか。
こんな早朝から2人は何をしているのか。何をしていたのか…。


昨日より確実に近づいた二人の距離に胸が騒ついた。


ってか、当ててるよな？！
うるんだ瞳で上目遣いとかベッタベタな手使ってんじゃねぇよ！


一番苦手なタイプの女だ…。
じとっと2人を見ていると、あざと系可愛い女子があら、とコチラに声をかける。
あら、じゃねぇよ。テメェのアラ探してやろうか。


「こんな早朝からお熱いねぇ。派手に朝帰りか？」


私を見ながらにやつく宇髄さんも、頬に両手を当て、恥ずかしがりながら師範に見られちゃいましたね、と照れ笑う彼女も、何も言わない師範も。
全てが気に入らない。


「ンな事よりテメェ斬ったんだろうな。」

『やりましたよ！宇髄さんが職務放棄するから！』


ムスっとする私とは対照的に柔らかい笑みを浮かべながら私たちに労いの言葉をかける彼女。


それさえも態とらしく感じていれば、泥まみれの私を見て、まあ！大変！と自身の手巾を取り出した。


「女性がこんなになるまで…」


私より小柄な女性が頬に手を添えて、懸命に拭いてくれている。身長差で自然となる上目遣いにうるんだ瞳。長いまつ毛の動きについソコに目がいってしまう。


え、普通にいい人。
そして、めちゃくちゃかわいい。


心の中で悪口言ってごめんなさい！と土下座していると、僅かに聞こえた舌打ちと「小汚い」。


ん？聞き間違いか？声がドス黒かったし…。


こんな可愛らしい娘さんがまさかそんな…。


「邪魔、しないで下さいね。」


私にしか聞こえない程度の声だが、今度はしっかりと聞こえた。


にっこりと微笑む彼女の笑みは真っ黒だ。
腹黒女子と言うのも足そうと思う。


だが、私も負ける訳にはいかない。(切実)


『師範！帰りましょう！私たちの家へ！』

「ごめんなさい。これから私たち出掛けるんです。」


ね？と可愛らしく首を傾げ師範に同意を求めた彼女。
本当なのかと師範を見ると、彼は溜息をついた後、


「先に帰ってろ。」と。


それだけ言って彼女と共に背を向けた。


なんだかんだで師範はいつも私を優先してくれた。
私を一番近くに置いてくれた。


なのに、今、師範の一番近くにいるのは別の人…。


『宇髄さん…私、師範に一歩近づいたかもしれません。』

「は？」


ビキビキと音を立てて顔や首筋を這っていく青筋に不本意ながら師範に一歩近づいた。そんな事を思った。



あさひ

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