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雷を送り出し、私が一方的に約束をした時間の30分前。
この日の為に新調した着物を着て、指定した場所で待っていた。
恋文を出してから普段の数倍早い心拍。
どの文が煉獄さんに届いたのか…
ちゃんと私の気持ちは伝わったのか…
駄目かもしれない。
それどころかこれから気まずくなってしまうかもしれない。
心配も不安もあるが、何にせよ雷が届けに行ったんだ。
私からという事は分かるだろう。
そして、あの誠実な煉獄さんの事だ。きっと来てくれる。
まだ30分もあるというのに痛い程高鳴る胸に手を当て深呼吸をした。
はぁ、私、結構乙女だ…。
刀ばかりを振り回している自分にあった乙女心にムフフとほくそ笑み、どうにか緊張を解そうとしていると、
隊服のズボンに手を突っ込み肩を切って歩くガラの悪い男……
失礼しました!
風柱、不死川実弥さんが前方から歩いて来られました!!
「………よォ、」
何故だ…?
隊士たちに会わないようにわざわざ少し遠い所を指定したというのに…。寄りによって何故不死川さんが居るんだ…。
まずい…まずいまずいまずい!
今一番会ってはいけない人だ…!!!
もしも、私が煉獄さんに恋文を渡したなんて知れたら…
「柱の癖に色恋に現抜かしてんじゃねェ!」
「腹切って詫やがれェ!」
「腐っても柱だァ…最後の情けに介錯は俺がしてやらァ…」
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!!!
このままでは煉獄さんのお返事聞く前に死んでしまう!!!!!!!
『こ、こんにちは…』
落ち着け、私。
ここは自然に!なちゅらるに!
後、30分ある。
ここは一端引いて、不死川さんがいなくなってから戻ってこよう…!
でなければ死ぬ。
さっさと此処から立ち退かなければ…!
そして!煉獄さんが来る前に何処かへ行ってくれ!不死川さん…!
それでは、と私の心情を悟られないよう笑顔を貼りつけて軽く会釈し、横を通り過ぎようとすると、がっちりと手首を掴まれた。
『!?!?』
「おい、呼び出しといて何処行くんだよォ?」
『・・・へ?』
ヨビタシトイテ…
ヨビタシトイテ………?
呼び出しといて?!?!?!
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あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
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