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阿部「…これから、どうしよう？」
ラウール「何かやるのは、まず元気になってからだよ。強いて言うなら、ゆっくり休んで」
向井「焦っても、ええことあらへんと思うで。これからのこととか俺らにも分からへんし」
佐久間「何があったのか知れてよかった。ただの事故では終わらなさそうだなっていうのは、あの時から感じてた。こんなことになってたなんて思いもしなかったし、気づけなかったのは後悔してる。阿部ちゃんが悪いんじゃない」
宮舘「もちろんあの時に気づくのが理想だったんだろうけど、人生をやり直しても俺らはたぶん気づけないままだと思う。あと、阿部からしたら気づかれたくなかったんだから一方では正解なのかもしれないけれど、こんなことになったことを考えたら、グレーゾーンなのかもしれない」
コンコンコンッ
松村「あの、ちょっといいですか…あっ、後でまた来ます」
俺らのただならぬ気配を察したのか、松村先生が顔だけのぞかせてすぐに出ていこうとする。
目黒「あの、何かあったんですか？」
松村「ああ、まあ。でも、今じゃなくてもいいですね、別に」
目黒「阿部ちゃんなら、いいですよ」
松村「阿部さんだけじゃなくて、9人全員にです」
目黒「ちょうど今、全員いますよ」
松村「…少しだけ、お待ちください」
そう言って松村先生が後ろを振り向いた瞬間、「北斗！」という声が聞こえてきた。
松村「何でここに？仕事は？」
京本「研修の子、優秀だから任せて抜けてきた」
松村「またサボりか」
京本「北斗だって、似たようなものでしょ」
松村「俺は外来昼からだから。で、何？」
京本「これ、いるんじゃなかったの？」
京本先生が松村先生に、大きめのカバンに入った荷物を渡した。
しかもそのバッグは俺らのライブグッズで、うれしくなる。
松村「俺が今から取りに行こうとしてたやつ…何で？」
京本「北斗たぶんここにいるだろうなって思って。そしたら、これいるでしょ」
松村「…それは、ありがとう」
ちょっと照れながらお礼を言う松村先生が、かわいく見えてきた。
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