空間支配系個性が最強でしょう？2【爆豪勝己】

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「A、揺らいでるな。何か学校であったか？」



大叔父宅に帰り着くなりそう言われ、え、と面食らう。


「結界師はそもそも空間を統べる能力者だ。
お前の空間に揺らぎが見てとれる。
それぐらいはわかるさ。」


ハハ、そんな顔すんな、まぁ飯でも食って落ち着けや、と大叔父は居間へと歩みを進めた。





食後のテーブルに、湯気の立つ湯のみが差し出される。


「で？んな泣きそうな顔して帰ってきてどうした。結界師じゃなくたってその顔じゃわかんぞ。」


そうっと湯のみに触れる。





「...私は、ある人に、この個性でヒーローになれると言ってもらって、その言葉を糧にここまで来ました...。

でも...ある事件があって、私を失くすことを恐れたその人はヒーローを諦めろと...

その人の気持ちもわかる。私も一緒に居たい。


でも、私は、もう、その人の背中をただ後ろから見つめるだけは....嫌...。




...今日は思わずそれをぶつけてしまって...、自分でも答えが出なくて...どうしようもなくて...」




語尾が震える。
温かい湯のみは口に運ばれることなく、ただ手のひらにその温度を移すだけだった。




「詮索する気はねぇがよ、ただ、それでお前の“どうしたいのか”の部分が出たんじゃねぇか？

そのぶつかりも無駄じゃなかった。

お前はそいつの背中じゃないモンが見てぇってことだ。



お前が見たいモンは何だ。その為にヒーローになる必要があるか。」


ぽかんと口を開いたまま大叔父を見つめた。







私、が...見たいもの....






前を向けば、君の眼差しが捉える眩しい景色、



「助けてくれてありがとう」と笑う出久の顔、




そして、

隣に目をやると、眩しい光の中、いつものように自信に満ちた彼の笑み。









そんな光景が浮かび、ぽとり、とひとつ頰から雫が落ちた。




「...ヒーローになる必要...ありま、す...。

私はその人の背中じゃなくて、おなじ景色(もの)と...その人の顔が、見たかったんだ....。」





両手で顔を覆って俯く私に大叔父はニッと大きく笑んだ。


「見つけたな。あとは方法だけだ。」



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