24 ページ24
.
「...ま、そういう、わけだ...わりぃな、A.......
おまえの、術...もっと、み、て、やりたかった、なァ....
おまえが、きて、俺ァずっと....幸せ、だったわ.....
俺を...生かして、くれて....ありが、とう、な....
あとは、勝己が居る...心配して、ねぇよ....」
じいちゃん...勝己って......!
いつの間にか変わった呼び方に驚き涙が急激に目に膜を作る。
「そんな、じいちゃ...っ
私、まだまだじいちゃんに結界術教えてもらわなきゃだめだよ、
また一緒に空登ろうよ、
........ッ、置いてかないで.....!!!」
ははぁ、と薄く笑ったような祖父が、チューブの繋がった腕を持ち上げ、くしゃりと私の頭を撫でた。
「おまえの、なかの、力はなんだ。
俺と同じ、狭間の......力だ。
俺は....そこに居るよ。
かわいい、おまえを、置いてきゃ...しねぇよ....」
お前は俺の、宝もんだ、
そう言って祖父は大きな優しい笑みをこぼした。
いつもと同じ、あたたかい笑みだった。
はぁ、ちょっ、と、疲れたから、寝るわ....あと、よろしくな.....
そう言って祖父はすうっと寝入った。
それから再び目覚めることはなかった。
それからのことはあまり覚えていない。
父や母が慌ただしく通夜や葬儀の段取りをするのに、ただ流されていた。
あまりに実感がなく、現実に追いつけないまま、勝己に連絡することもできずに居た。
そうして葬儀の日が足早に訪れ、光己さんとともに勝己が来てくれた。
勝己の顔を見るなり、どこかに落としたのかと思っていた感情がどっと押し寄せ、涙腺が壊れたように泣きじゃくった。
勝己は黙って抱き寄せたまま、ずっと側に居てくれた。
葬儀の日は、突き抜けるような青空が広がっていた。
----------------
327人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなみ(プロフ) - まだ読み途中ですが…… 違う意味でも見応え十分だァァァ!!で噴き出しました。笑 マイク先生があのタイミングで知ったら言いますね。笑 でも、そうなるとバラしたのは相澤先生ですか……?笑 (2023年2月12日 16時) (レス) @page19 id: 33510eeae8 (このIDを非表示/違反報告)
眠 - 今続編呼んでるんですけど、5話にしてはかっちゃあああん。かっこよすぎ。もうここまでかっこいいとね、そのセリフ言われたいよね。要件だけ言うと、作者神すぎ。神作を作ってくれてありがとうございます。 (2021年9月29日 20時) (レス) @page5 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉さんめちゃくちゃ読むの早いですね...!?読んでいただいてるポイントの感想もらえるのってすっごく嬉しいです!そして私の意図しているところをめちゃくちゃ楽しんでもらえてて嬉しいwwコメントいくらでも下さい...すごい嬉しい...紅葉さんお友達になりたい... (2018年9月24日 1時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - 紅葉さん» めちゃめちゃ楽しんでもらえててコメント読む度ふっふふ...!ってなりますwめちゃくちゃ嬉しいです!なかなかオリジナルの登場人物に着目してもらえることってないと思うので、そこ褒めてもらえるの嬉しいです...!かっちゃん格好良く書けてたら作者冥利に尽きます! (2018年9月24日 1時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - まさかの黒姫出現…?!何度もコメントすみません…!でも本当にこの作品好きすぎてヤバいですわ〜!!結界師も好きだしいつか絶界も出てきそうですね!てかあの黒い霧?って絶界の前ぶれ?! (2018年9月24日 1時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:泉 | 作成日時:2018年3月5日 0時