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結弦に連れられて着いた先は、今まで通った中にあったどれよりもこじんまりとした、拝殿だった。
結弦はその前に立つと、スッ、と頭を2回下げ、パンッパンッ、と2拍手を打った。
そのまま神妙な顔で目を閉じ、顔の前に手を合わせた。
ふわりと長い睫毛がかかるのを、俺はただ見ていた。
しばらくそうして拝んだかと思えば、スッとまつ毛が持ち上がり、再び礼をして結弦が息をついた。
「.......いつも、ここの試合前はここでお参りして行くの。付き合ってくれてありがとう。」
こんな、参拝客の1人も居ねぇような小さな社で、いつも拝んでんのか。らしいな、と思った。
「こんな小っせーとこで必勝祈願かよ。まぁ俺は神頼みとか興味無ぇけど。」
「ふふ、そう言うと思った。必勝祈願というか.....、今日はよろしくお願いします、っていう感じかな。」
そう柔らかく言ったところで、かすかに結弦の手が震えていることに気がついた。
相変わらず、顔にはそんな動揺を微塵も出さず、静かな表情をしている。
........こうやっていつも1人、ここで耐えてんのかよ。
「.........なんかあんのか。震えてんだろ。手、出せ。」
目を丸くする結弦の手を、勝手に掴んだ。
緊張から来るものか、冷えた手をぎゅっぎゅっ、と握った。
「...........あったか...い。あり.....がと。
.............実は、さ。去年は、ここの試合で、.......負けたんだ。
決勝、サドンデスみたいな感じで、相手と一本ずつ交互に撃って行くんだけど。
あの、外した時の一本の感覚、まだ.....覚えてる。
木枠に当たって逸れる音も。
それ思い出すと、やっぱ緊張止まらなくなっちゃって、さ。
せっかく爆豪くんが来てくれたのに、情けないな....。」
そう言って苦笑する顔は、他の奴らからはいつもと同じ柔らかい笑顔に見えただろう。
俺がンなモブ共みてーに誤魔化されるかっつの。どんだけお前のこと見とると思っとんだ。
ぎゅっ、とその細い手を、両の手で握って、真っ直ぐに目を合わせた。翡翠色に少しの驚きが差す。
「去年とは違ぇ。
お前のやってきた事も。
事件ン時、行動したお前の心の強さも。
スランプ乗り越えた事も。
んで、今年は俺も居る。
絶対ぇ勝てる。」
くしゃ、と眉を下げたまま結弦が笑った。
「なんかそれ、爆豪くんが勝利の神様みたいだねぇ。っふふ、ありがとう、なんか、大丈夫な気がしてきた。」
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泉(プロフ) - くじさん» ひーん....！ありがとうございます...！待ってると言って下さって嬉しいです...！ (2019年5月15日 8時) (
レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
くじ(プロフ) - 泉さん» いつまででも待ってるので泉さんのペースで頑張ってください…！！ (2019年5月10日 19時) (レス) id: db6b08d5ff (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - くじさん» 推しカプと言っていただけて最高に嬉しいです^^*うちの子たちが推しと呼んでもらえるなんてなんだかすごい...！活動、一時終了と言って頂けてなんだかほっとしています。。苦笑。またしっかり入れるようになったら書きたいです。 (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます...！また帰れる場所を作っていただけてとても嬉しいです涙。こんなにも作品をあたたかく愛して頂けて、こちらこそ本当に素敵な読んで下さる方に出会えて感謝です* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - kazuさん» あたたかいお言葉ありがとうございます....！こちらこそ、素敵な内容で最後に物語を広げて下さってありがとうございました* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2019年2月20日 16時
