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「.....結弦、悪いがちょっと野暮用で電話しなけりゃならない。10分後に出る。それまでここで待っていろ。」
「.......!」
相澤先生が結弦にそう声をかけ、結弦が眉を下げて頷いたのを確認すると、オールマイトと共に車へと戻って行った。
10分....。チラと腕時計を確認する。わざわざ.....、この為に結弦を連れて来てくれたってか....。
そうして結弦がこちらに向き直ると、更に眉が下がる。
タタ、と駆け寄って来たのに、こちらまで胸が軋む。
「っ爆豪くん、ごめん....!」
こちらへ来るなりそう言ったかと思うと、俺の左手を温かいものが包んだ。
「......セクハラ、になっちゃうかもだけど....!どうしても......っ!
君が.......無事で.............!
本当に.......っ、
よかっ.......た.............!!!」
そう言って、その白い両手で包んだ俺の左手を、額につけて、泣いた。
くしゃくしゃになったその顔から、バラバラとあたたかい水分の粒が止めどなくこぼれた。
どうしようもなく、胸が軋んで。
気が付けば、右手がその肩を抱き寄せていた。
ぎゅう、とその華奢な体を抱きしめる腕に力が篭った。
「お前......................!
俺の、ために......、無茶しやがったんだろうが...........!
無茶したら承知しねーって...言ったろ............ッ。」
きゅ、と俺の背中に回った手に、弱々しく力が篭る。
「無茶...........、じゃない、よ....!
絶対に、救けたかった.......!君が居ないなんて、絶対に嫌だった.....!
私だって雄英生だもん、
だから、プルスウルトラ、だよ....!」
そう言って、顔を上げて、涙に濡れたままにか、と笑って見せるのに、心臓が握り潰されそうだった。
「...............ッ、バカ、かよ....!」
そう言って、再び腕の中に力一杯抱き寄せた。
結弦の肩に顔を埋めて、目頭が熱くなるのを隠した。
ありがと、よ
そう言った後、2人して、少し泣いた。
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泉(プロフ) - くじさん» ひーん....!ありがとうございます...!待ってると言って下さって嬉しいです...! (2019年5月15日 8時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
くじ(プロフ) - 泉さん» いつまででも待ってるので泉さんのペースで頑張ってください…!! (2019年5月10日 19時) (レス) id: db6b08d5ff (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - くじさん» 推しカプと言っていただけて最高に嬉しいです^^*うちの子たちが推しと呼んでもらえるなんてなんだかすごい...!活動、一時終了と言って頂けてなんだかほっとしています。。苦笑。またしっかり入れるようになったら書きたいです。 (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - つるぎさん» たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます...!また帰れる場所を作っていただけてとても嬉しいです涙。こんなにも作品をあたたかく愛して頂けて、こちらこそ本当に素敵な読んで下さる方に出会えて感謝です* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - kazuさん» あたたかいお言葉ありがとうございます....!こちらこそ、素敵な内容で最後に物語を広げて下さってありがとうございました* (2019年5月10日 14時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉 | 作成日時:2019年2月20日 16時