スポットライトを君に【派生作品】

プロローグ ページ1

俺が一番好きな景色がある。

人工的な光が彼を焼き尽くしそうになっているのを、俺は劇場の最奥で見ているのだ。俺が考えた光の三原色が組み合わさって、揺らめいて、収束した光はまた彼に当たる。それが狂おしいほど綺麗な光景で、まるで夢の中にいるみたいだった。

客席では駄目だ。あの部屋から俺は彼らの一挙一動を見届けて、笑って、泣いて、そうやって客のようにリアクションをとるのだ。そうでなければならないという強迫観念が自分の中で渦巻いていて、今思えば多分苦しかった。

苦しい俺を照らしてくれたのは、月だ。月が綺麗ですね、の月。照らしてるのは俺のはずなのに、反射した光が俺に当たって、倍返しの元気をもらっているみたいだった。

お前は今、何をしているの。また会いたくなってしまったら、俺はどうすればいいんだろう。
俺は今、四季波高校というところに通っています。それなりに楽しい。暇があったら会いに来て。そうして欲しいと、常に願っています。
だって、俺はいつまでも貴方の太陽でいたいから。

1話→

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