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第十二話 ページ19

吃驚して振り返ると、視界に入る銀髪。
初めてあった時から、鮮明に記憶に焼き付いている、その色。



『宮君…?』



余程急いだのだろう、息が切れている。
何か用事があったのかもしれない、と思って、立ち止まり彼が落ち着くのを待った。



「…椿さん、」
『どうしたの?』



やがて、紡がれる声。
俯いたままで表情が見え辛い宮君は、その後黙ってしまって、気まずい空気が流れる。

本当に、どうしたんだろう。
そんなに言いにくいのかな。

そう思いながらも、こちらも黙って待っていると、突然顔を上げた宮君と、目が合う。



『え、』



そして、驚いた。

揺らぐ、チャコールグレイの瞳と。
唇を噛んで、何かに耐える様な、必死の表情に。

心配になって、それから、もしかしたら私が何かしてしまったのかもしれないと不安にもなって、ただ言葉を待つ。



「なんで、目ぇ逸らしたん。」



それから更に数十秒後、ぽつり、と声がした。
その言葉にまた驚いて、目を見開くと、重ねて言われる。



「俺、好きって、言うたやんな。忘れたん?」
『…ううん。』



首を傾げる彼に焦って否定すると、余計に傷ついたように眉を垂れる、宮君。
そんな態度で、気付いた。

ああ、今、彼にこんな表情をさせてしまっているのは、私だ。



「ならなんで、返事くれへんの。期待させるようなこと、…すんねん。」



なあ、椿さん、──ツムのこと、好きなんやろ。

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宮兄弟推し - 推し=恋愛対象の人間です。宮兄弟ガチ恋勢(わい)には、たまらん作品です。ありがとうございました! (5月18日 20時) (レス) @page28 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても幸せな小説でした。おつかれさまです! (2023年2月21日 15時) (レス) @page28 id: 8fd965734e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん吉(プロフ) - 胸がギュンってなりました🤦‍♀これからも応援してます!更新頑張ってください🙇🏻 (2022年11月23日 3時) (レス) @page21 id: 4862dc7ef3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月19日 18時

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