第九話 ページ14
強引が過ぎる。
結局、あの後、クラス全員に迷惑をかける勇気はなくて、
折れて名前を呼ぶと満足そうに席に戻っていった宮君。
心の中で溜息が止まらなくなって、ぐるぐると悩むうちに、気付けば二限が終わっていた。
最近、こういうの多いな。
なんて、小春に声をかけられてハッとしてから苦笑する。
「災難やったな。」
『…ほんとに……。』
「えー、酷いわぁ、Aちゃん♡」
「『ゲッ』」
「ゲッて。」
机に突っ伏して彼女と話していると、寄ってくる宮君。
今日はなんなんだろう。
前声を掛けてきたときよりも、しつこい気がする。
思わず小春とそう反応すると、彼はくつくつと喉を鳴らしてまた笑った。
「Aに何の用なん？邪魔せんで欲しいねんけど」
「別に、用はあらへん」
そういえば、勝手に名前呼びしてるし。
なんて、そんなことに気付いて眉を顰める。
用がないなら、なんだっていうんだ。
宮君のこういうところが、やっぱり少し、苦手だと思った。
「ほんま、強引やったよね。A、苦手なタイプちゃう？」
『うん。』
「目の前でそんな話するの酷ない！？？」
嫌味っぽく聞いてきた小春に、素直に肯定すると叫んだ宮君。
するとすかさず「別に侑君のこととは言うてへんけど？？？」なんて、更に煽った彼女。
余程気に食わなかったんだな、と、いっそ面白くなる。
彼の反応のよさからか、それとも、小春が味方してくれているのが嬉しかったからかもしれない。
『(宮(治)君も、こんな風に元気なのかな。)』
真面に話したのは一度きりだけど、ここまで煩くなかったような。
むしろ、落ち着いていて、不愛想にも思えるくらい。
ふと思い返して、その頬に滲んだ赤色と、真剣な瞳に今更ながら少し恥ずかしくなる。
あんな風に真っ直ぐに見つめられたのは、初めてだったな。
「ほら、苦手や言われてるんやから、ちゃっちゃと席帰り」
「西山さんはなんでそないに冷たいん！？」
「喧しいねん。そうやんなー、A？」
『え？ …ああ、うん。』
「流石の俺でも傷つくんやけど！！」
「知らんわ」
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宮兄弟推し - 推し=恋愛対象の人間です。宮兄弟ガチ恋勢(わい)には、たまらん作品です。ありがとうございました！ (5月18日 20時) (
レス) @page28 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても幸せな小説でした。おつかれさまです！ (2023年2月21日 15時) (レス) @page28 id: 8fd965734e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん吉(プロフ) - 胸がギュンってなりました🤦♀これからも応援してます!更新頑張ってください🙇🏻 (2022年11月23日 3時) (レス) @page21 id: 4862dc7ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音琥
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時：2022年11月19日 18時
