MAKE 88 ページ23
「!ーー、ーーー!!」
「ふふ、食べてから話したら?」
ロシア。
日本の北側に位置している世界最大の国である。
先日、『別に来てくれたっていいんだからね!(多少の捏造有)』とイヴァンさんに誘われた私は一人ロシア旅行をすることとなった。
因みに菊さんは仕事のため来れません。社会人は忙しいのだ。
そんなわけで連絡するための携帯を握りしめながらロシアの地に足を踏み入れると、誘拐犯よろしくイヴァンさんが私を担ぎ上げて車まで連れ去った。
吃驚した。本気で海外で犯罪に巻き込まれると思った。
もしロシアでトラブルが起きたらどうしよう………あ、でもイヴァンさんがなんとかしてくれる気が…。
他力本願なのは重々承知。でも、本当にこの人なんとかしてくれると思うんだ。
「すっごく美味しいですボルシチ……色も鮮やかですね。」
「本当?真心込めて作ったからそう言ってもらえて嬉しいよ。」
「えっ、魔王がお作りになられたのですか!いやはや、てっきり貴方様は不器用かと思っておりました。」
「ふふっ、下僕ちゃん。そのボルシチもっと赤くしてみたくない?」
「ご遠慮しまーす。」
ちょっとふざけながらの楽しいお食事。
会話の流れからある程度わかる通り、ここはイヴァンさんの家である。
私を即行車に乗せて連れて行ったのは、ボルシチが冷めるから、らしい。
スプーンを動かしながらチラリと部屋を眺める。
つまらない部屋だ。
別に、生活感がないとかではない。
使いふるされた家具はどれも豪華っていうか、高そう。でもそれが全然嫌味っぽくなくて、うまくレイアウトされている。
でも、つまらないのだ。
もっとこう、見られたら弱味握られそうなもの……アルバムとか、いかがわしい本とか、小学校の頃の作文とか!そういうのはないのか!!
後でベッドの下見てみようかな…いやでも、彼のことだからそんなベタじゃなくて、想像のつかないような所に。……ダメだ、そういうの持ってる想像すらつかない。
いやでも、諦めるのはまだ早い。
無いならこちらが用意してそっと置いてあげるのは……!!
「Aちゃん何考えてるのかなー?」
「せっかく旅行に来たのだから沢山思い出つくりたいなと。」
私に用意できるのはありもしない小学校の作文なんだろうなと思った。
しかし、私はロシア語が書けない。

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きくさぶなそれ(プロフ) - 作品自体は何年も前のものなのでコメントするのはちょっとアレかなと思ったんですけど......あなた様の書くAPHの続きが読みたいです!!最近ではアニメ7期も来てたし、ヘタリア初のキャラブック発売するしで最近再熱したんですけどやっぱり続きめちゃ気になります!!! (2021年11月11日 17時) (レス) @page33 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - これってもう更新されないのですか? 続きが気になるのですが…… (2017年9月26日 6時) (レス) id: f561f07911 (このIDを非表示/違反報告)
影雪 - あの、突然すみません!結構前?にあった『海賊紳士と非日常』のアーロン君と主人公ちゃんの小説を書いていただけませんか?アーロン君が転生してアーサーさんと再会し主人公ちゃんに惚れ直す…?みたいな話で出来ればオチもアーロン君で…突然すみませんでした!! (2017年8月31日 0時) (レス) id: dc73484863 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - すごく面白かったです。続き楽しみにしてます。 (2016年12月10日 5時) (レス) id: 00e0536328 (このIDを非表示/違反報告)
世界領 - とっても面白いです!更新待ってます (2016年10月25日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
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