break * 僕と君でランデブー! ページ15
「わぁ、今日のAちゃん可愛いね!」
「……そう?菊さんに見てもらいながら服決めたんだ。」
視線を自分の体に向ける。
ふわり、柔らかい印象を与えさせるワンピース。
長さは膝がやや隠れるくらいで、下の方からピンクのグラデーションがかかっている。
上に羽織っているのは同じくピンクのカーディガンで、濃すぎず淡い色をしたそれは桜を連想させる私のお気に入りだ。
小物としては、ネックレスをつけている。銀色の細いチェーンには小さな星形の飾りがついていて可愛い。
髪の毛は右耳のしたで一つに結んでいて、これは菊さんが結んでくれた。
手先の器用さが活かされており、ふんわり巻かれている。
非常に張り切った格好をしているが、このファッションを考えたのはほとんど菊さんだ。
嫌いではないが、私はあまりスカートをはかない。
しかし、菊さんが買ってきてはさりげなく私の洋服箪笥に納めるのである。
最初はそんなに自分に服を与えなくてもいいと遠慮していたのだが、私が見たいのですと言われてからはあまり気にしなくなった。
さすがにチャイナ服が入っていた時はそっと返却したが。
「Aちゃん、ちょっとくるって回ってみて。」
「え?うん…。」
急に言われて何故だろうと戸惑いながら一回転する。
ワンピースの裾が揺れた。
「はい、ポーズ。」
「きゃはっ☆…………って、何させてんの!」
「ヴェー、大丈夫。可愛く撮れたから!」
可愛くもないくせにぶりっこポーズをした自分を殴りたくなった。
「ねっ、兄ちゃん。うまく撮れてるでしょ?」
「ん?あー、おいバカ弟。その写メ後で俺の携帯に送れ。」
「えー……もう、写メのことについては何も言わないけど間違えてもアントーニョさんやフランシスさんには送らないでね。」
「当たり前だこんちくしょー。」
はぁ、とため息をつく。
今あげた二人と菊さんは、何かと私に可愛い格好をさせようとしてくる。
いや、イヴァンさんと比べたらまだマシかも。あの人ロシアの民族衣装を着させようとするから。
「Aちゃん可愛いよね、兄ちゃん。」
「はぁ!?ぁ…ぇ…なんで俺に同意求めんだちきしょー…………似合ってる、と思うけど…。」
「あー、ハイハイ。アレね、デレ頂きましたってヤツね。」
「ちぎーー!!」
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きくさぶなそれ(プロフ) - 作品自体は何年も前のものなのでコメントするのはちょっとアレかなと思ったんですけど......あなた様の書くAPHの続きが読みたいです!!最近ではアニメ7期も来てたし、ヘタリア初のキャラブック発売するしで最近再熱したんですけどやっぱり続きめちゃ気になります!!! (2021年11月11日 17時) (レス) @page33 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - これってもう更新されないのですか? 続きが気になるのですが…… (2017年9月26日 6時) (レス) id: f561f07911 (このIDを非表示/違反報告)
影雪 - あの、突然すみません!結構前?にあった『海賊紳士と非日常』のアーロン君と主人公ちゃんの小説を書いていただけませんか?アーロン君が転生してアーサーさんと再会し主人公ちゃんに惚れ直す…?みたいな話で出来ればオチもアーロン君で…突然すみませんでした!! (2017年8月31日 0時) (レス) id: dc73484863 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - すごく面白かったです。続き楽しみにしてます。 (2016年12月10日 5時) (レス) id: 00e0536328 (このIDを非表示/違反報告)
世界領 - とっても面白いです!更新待ってます (2016年10月25日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
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