未定 (ページ22)

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「大晴くん、この問題の解き方ってこれで合ってます？」

福「あーそれはこの公式使った方が簡単に解けるで」

9月半ばになり、高校3年生の今の私には、いよいよ大きな決断が迫っていた。

小「そういえばAと佐野、来年からどうするん？大学とか」

2週間ほど前、年下組だけでのレッスン終わりに、こじけんがふとそんなことを聞いてきた。

佐「僕は音大にしよかなって思ってます」

小「晶哉確かに音大って顔してるもんな」

福「どんな顔やねん笑」

佐「Aは？」

3人の視線がこちらに集中する。

「行きたい大学はあるけど、まだまだ学力が足りてなくて、、」

福「どこ行きたいん？」

んーまぁ隠すことでもないしなぁ、、

「、、大晴くんと同じとこです」

隣で水を飲んでいたこじけんが吹き出しそうになっていた。

大晴くんが通うのは、大阪の難関国公立大学

大晴くんは半年間の休業を経て、ジャニーズで初めて国公立大学に現役合格した。

福「そうなん！？やったらもっと早く言ってよ！」

「すみません、でも正直まだ迷ってて、仕事と両立できるんか不安やし、なるべく迷惑はかけたくないし」

小「確かに大晴でもちょっとの間仕事休んでたもんな」

佐「Aは、なんでそこがいいの？」

「それは、、」

その大学に行きたい理由はいくつかある。
その中でも、とりわけ大きな理由は──────

「自分にも何かグループの役に立つ肩書きがあればなって思って」

小「表向きにはあるやん、一応、、」

「そうやけどさ、自分の努力で掴み取ったやつじゃないとあかんねん」

女であること以外の自分の武器を作らなければいけない。

そうでないと、きっとファンの人には認めてもらえない。

いつまでもメンバーに頼ってばっかりでは居られへん。

福「やったら俺が勉強教えよか？」

そういう訳で、大晴くんは仕事やレッスンの合間を縫って自分の勉強を見てくれている。

小「俺日本史は出来るで？教えたろか？」

「こじけんの歴史解説主観入りすぎてて余計分からんなるからやめて〜笑」

末「俺体育めっちゃ得意やから後でバク転教えたるわ」

正「いや、誠也くんバク転出来ない系ジャニーズですよね？笑」

リ「てかそもそも受験科目に体育ないやろ笑」

時々、こじけんと誠也くんが邪魔してくることもあるけど、おかげで迫り来る受験への不安は少し和らいだ。