未定 (ページ13)

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。〔正門side〕ページ13

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色んなお店を見て回る中、目に入ってくるのはAに似合いそうなものばっかり。

誠也くんの誕生日プレゼントを買いに来たはずやったのに、、、

「あっ、あれめっちゃ良くないですか」

そう言ってAは帽子屋さんの入口まで小走りし、これですこれ、と指をさしている。

正「うわ、めっちゃかっこいいやん！誠也くんに似合いそう」

「あっ、これは末澤くんじゃなくて正門くんに似合いそうやなって思って」

そう言ってこちらを向くAと目が合う。

そんな真っ直ぐな目で見られたら、またときめいてしまうやん。

「かぶってみて下さいよ」

俺は言われるがままにデニム地の帽子をかぶってみる。

「おぉー！似合う！めっちゃ良いです！」

いつも素直なAやから、多分この言葉は嘘じゃないんやろな。

だからこそ褒められると嬉しくて、ニヤケてしまうのを必死に堪えた。

正「ほんまに？嬉しいなぁ」

「良かったら自分にプレゼントさせて下さい」

正「えっ、いや自分で買うよ！今日は俺が付き合わせてる側やし」

「いつも自分に差し入れ買ってきてくれたり、楽器教えてくれたり、正門くんにはほんまにお世話になってるんで、プレゼントしたいんです」

正「んーじゃあ、、お言葉に甘えて」

「じゃあそこで待っといてくださいね」

そう言ってAは店の奥のレジに向かう。

ほんまは、少しでもいいからAに男として意識してもらえたらと思って今日のデートに誘ったのに、Aはデートやなんてちっとも思ってないんやろな。

それどころか俺ばっかりドキドキさせられてる気がするし、、

そもそもAが好きになるのは男なんかな、、

「お待たせしました！」

正「おかえり、ほんまにありがとう」

「正門くん、いつもありがとうございます」

その後、2人で誠也くんのプレゼントには香水を選んで、少し遅めの晩御飯を一緒に食べて、夜道が心配やから家まで送っていくことにした。

「わざわざ家まで送ってくれて、ありがとうございました。正門くんも気をつけて」

正「最後にさ、これ今日付き合ってくれたお礼」

俺がこっそり買った、Aが気に入っていたピアスだ。

「これ、さっき買うの諦めたやつ、、」

正「耳貸して」

見えにくくて顔を近づけるとAの綺麗な横顔がすぐそこにあって、つい見惚れてしまう。

Aの頬も少しだけ赤いのはきっと俺の気のせいや。