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「………ジナの友達を探そう」
知らないなら、知っている人間に聞けばいい。
ジナとよく一緒にいる男子たちの顔は幸い覚えている。
いつもならこの講義のあとジナを迎えに来て、一緒に隣の教室に移動している姿をよく見かけていた。
急いで外に出て、廊下でジナの友達が来るのを待っていると、予想通りよく見る3人組の男子達が歩いてきた。
「あ、あの!!ちょっといいかな」
「え?あ、俺たちですか?」
「そ、そう。君たちに用があるの」
そういえば俺、自分から男子に話しかけたことって無いかも。
しかもこういうまともそうな男子。
俺に絡んでくるやつって大抵チャラいやつばっかりだから、妙に緊張する。
「急に話しかけてごめんなさい。あの、ジナ……キム・ソクジン君の友達だよね?」
「えっ、あ、はい。そうですけど……」
「最近姿見なくて、何か知ってる?」
俺がそう聞くと、3人は驚いたような顔をしたあと、恐る恐る「熱出して体調崩してるみたいです」と教えてくれた。
ああ、やっぱりそうか。完全に俺のせいじゃん。
あんなに濡れたらそりゃ風邪ひくよな、とあの日送らせてしまったことを後悔した。
「ユリ先輩ってソクジンの連絡先知らないんですか?」
「え?あ、ああ。実はそうなの。だから心配で……。でも、理由が分かったから良かった。教えてくれてありがとう」
本当なら見舞いに行きたいところだが、さすがに家の場所を本人以外の人間から教えてもらうのは良くないだろう。
理由がわかっただけでもよかった。
お礼を言って3人の前から去ろうとしたら、待って下さい!!と声をかけられた。
「あの、先輩さえ良ければソクジンの所に見舞いにいってくれませんか?」
「え?」
「実は今日、皆で見舞いに行こうって話してたんですけど、大勢で押しかけるのも悪いよなって話してたんです。もし先輩さえ良ければお願いできませんか?」
「え、いや、でも私ジナの家知らないし……」
「住所なら教えますから、行ってくれませんか?お願いします」
ユリ先輩にならソクジンも怒らないだろうしと、ご丁寧に頭を下げられてしまい、周りからなにかあったのかと視線を向けられてることに気がついて、慌ててその子に頭をあげてもらうように言った。
「わ、私で大丈夫なら……」
「本当ですか!ありがとうございます」
ジナの住所を書いたメモと、休んでいた日に出されたプリントや板書を写したノートを受け取ると、ジナの友達たちは授業があるからとすぐに講義室へと行ってしまった。
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作者名：萩焼 | 作成日時：2022年10月2日 21時
