【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで【男主】 (ページ23)

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「はい、できた。鏡見て確認して」
「はあ……。私、今最高に可愛い。本当にユリ天才だわ。ありがとう。今度ご飯奢るね!!」
「ご飯なんていいから、早く行ってきな」

メイクが終わり、ユジンさんは笑顔で講義室を去っていく。
去り際に僕がいることに気がついたのか、「席お邪魔しちゃってごめんね!!」と律儀に謝ってくれた。

「ジナ、ごめんな。待っててくれてありがとう」
「ううん、気にしないで」

さっきまで喋っていた女の子の声からユリの本来の男の声に変わる。
さっきまでのモヤモヤしていた気持ちが、ユリの声を聞いて吹き飛んだ。
どんなに距離が近く喋ろうと、ユリが普段の声で喋ってくれるのは僕しかいない。
それがたまらなく嬉しかった。

「ユリってさ、結構ああやってメイク頼まれることあるけど、困ったりしないの?」

講義が始まるまでまだ少し時間があるから、僕は少しだけ思っていた疑問をユリに聞いてみた。

メイクをするのって時間がかかるし、手間もかかる。
すごく大変な作業だろうし、僕みたいな素人からするとお金をもらってもいいんじゃないかなと思ってしまう。

「一番最初に頼まれた時は戸惑ったかな。なんで俺に?って思ったし。でも、今は普通に嬉しいって思うかな」
「そうなんだ」

高校の時から自分のための努力を惜しまない人で、それはきっと今も変わっていない。
自分にストイックだからこそ、メイクをして欲しいみたいな頼み事をしたら、人に頼まないで自分でやれって、ちょっと言いそうだなって勝手に思っていた。