【JN】俺がWWHの公式彼女になるまで【男主】 (ページ21)

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明らかに女の人の格好をしてるし、メイクもしてるから普段の顔と雰囲気が違うけど、絶対にそうだ。
その後、大学生活が本格的に始まってからあの人が男だという話を聞き、あのユリ先輩だと確信した。

もう二度と会えないと思ったのに、会うことが出来た。
これってもはや運命じゃない?なんて、柄にもなく思ったりした。
それに、今度こそもっとユリ先輩と仲良くなれるかもしれないと思ったら、僕の行動は早かった。

ユリ先輩の取っている講義を調べて、必修じゃないものも取れるだけ取った。
初めて声をかけた時はかなり警戒されていたけど、今では本当に気兼ねなく話が出来るようになった。

「………あ、ユリ先輩じゃなくて、ユリって呼ぶんだった」

いけない、昔の癖でついつい先輩呼びをしてしまう。
友達みたいに接して欲しいって言われたから、ユリって呼ばないといけないんだった。
何度も心の中でユリ、と名前を呼ぶ練習をする。

「へへ、ユリ、ユリか……」

本当に気持ち悪いと思うけど、名前を呼ぶだけで笑みがこぼれてしまう。
それに、あのユリと友達になれるなんて夢みたいで、話す時に実はいつも内心ドキドキしている。

年上なのにすごく気さくで、呼び捨てでしかもあとでタメ口でもいいと言われた。
言葉遣いや態度に厳しい人がほとんどなのに、ユリはそういうところも他の人と違う。
自分をしっかりともっていて、どこにもブレない軸がある。
そういうところもかっこいいし、優しいなと思う。

「明日もユリとうまく会話出来ますように……」

目を閉じながらベッドの中で小さく呟いて、僕は眠りへと落ちた。