俺の前から、メンバーが消えました。【Part2】

44.出来ること ページ3

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「よいっしょ、この辺りでいい？」



「あぁ。助かった」




光くんに頼まれた仕事がひと段落してお昼寝中の子供たちの様子をみて光くんと休憩。



「…可愛いなぁ、みんな」


「ほんと…こんなに笑えるようになってくれて
俺は嬉しいよ。」



そっか、あんなに笑顔で元気いっぱいに遊んでたけど、みんな過去に酷い目にあってきた子達ばかりなんだ。



「…山田なら、あの子を変えてくれるかもしれないな」



「え？」



光くんの目線の先には端っこで眠っている玲くんだった。



「あの子、最近来たって言ってももうここに来てから3ヶ月くらい経ってるんだ。それでも心を開いてくれないのは初めてでさ」



そう苦笑いをして俺の方に目線を戻した



「たった1日。いや、たった数分。
あれだけの会話であの子はお前の目を見た。
俺は目を合わせてくれるだけでも1週間以上かかったのに…山田には、子供、人を引きつける何かあるのかもしれないな」



「…なぁ光くん」




「なんだ？」



「あの子、俺に任せてくれないかな。」



「玲くんか？…あぁ、もちろん。
あの子を暗闇から引っ張り出してやってくれ」



「おう。」




ここに来た目的は光くんの色を手に入れるため。
だけど、こんな子達を放っておけるほど、俺も腐ってないんでね。

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