選ばれた少女

珍しいケース。 ページ29

お馴染みのビルの上。


「きょーおー…あれ…？」

空「どうした？」

「うすらぬらに書き込みがされてる…


…ペットが行方不明……悪魔の丸呑みトイレ…？


…少し気になる事が有んだけど…」

空「トイレで丸呑みって…ちょっと下品じゃないか…？」

話聞いてないな…勝手に話を進めよう

「…俺たちが悪を増殖していなくてもこんな感じで暴れまわるってことはあるのか？」

空「あぁ、このケースは珍しいけどな。

大きな恨みや悲しみを爆発させ、自らが自らが暴れ出す妖怪もいる…

今回は『オロチ』という妖怪みたいだな…」

え…？

「…なんで知ってんの…？」

空「…公衆トイレで盗み聞きした…」

はぁ？

「いつ？」

空「今さっき…」

…………ん？

「……は？遠距離だろ？っていうかなんであいつらの場所知ってんだよ⁈」

空「まぁそれは、俺なりの事情ってのが有るんだ…」

「はぁ…そのオロチってやつの場所は？」

空「…下水道だ。」

げ…

「下水…道…」

風が音を立てて吹いた気がした。

ん？

「なぁ、オロチって大蛇で聞いた事が有るぞ？」

空「あぁ、強い者を求めてさすらいをする妖怪として妖怪内では知られている。」

「さすらいをしている妖怪がなぜ下水道にとどまってそんなことしてるんだ…？

ってかなんで妖怪になったの…？」

空「あいつは元は人間だったみたいだ…

ある妖怪に大切なものを奪われて妖怪になった…」

「大切な…もの…」

空「30年前になるけどな…」

空はオロチの30年前を話し出した。

妖怪になった過去→←犠牲にしない。

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