選ばれた少女 No.2

生きる意味。 ページ46

「…っな⁉」

私は思わず勢いよく離れてしまう。

月浪サンの顔は真っ赤になっている。

「…うそ？」

ト「嘘じゃ無い。本気。」

「…嘘か。」

ト「だから、本気だって。」

信じられない。


こんな私が？なんども裏切った私が？


なんで？


ト「あのっ…へ、返事…今、できれば…欲しい、かな。」


…うーん。信じられるか？

でも、さっきから自分の様子を見ていても、月浪サンだったら大丈夫そうな気が、しなくも…無い？

んー。どうするべきだ？

素直に、はいお願いしますって言うべきかぁ？

…こう言う系のことに関しては無知だからなぁ。

とてつもない壁だ。

…恋とはどう言うものなのか。

……。


……………わからん。私には縁が遠いはずだったのに。


恋と言うものがよくわからない中、私は一つ確認しておきたいことがあった。


「裏切ったり、捨てたりしない、？」


裏切られる。1人に自らなったと言うのに、1人になるのが怖いとか、、、

理不尽過ぎない？自分。


…わかってるのに、体がそう反応してしまう。

長いことその対応をし過ぎて、習慣になってしまったんだな。
人に冷たくするって言うのが。


……こういうとこ、嫌い。

自分、嫌い…


ト「……大丈夫…絶対捨てたりしないよ。」

私は、強い眼差しを受け止めて、言った。

「…いいですよ。約束してくれるなら。」

この人なら、恐らく大丈夫だろうと思った。

空が導いてくれたのかな？

…知らないけど、信じられる人ができて、よかった。安心した。


ト「ほんとっ？やった…！亜空さん、これからよろしくね。」

彼は優しく笑って言った。

「……はい。」

笑い返して言った。

っていうか、もうこの人に敬語を使うのはもう変か？

まぁこれも習慣になっちゃってるからな…



……友達…と思っていなかったが、そんな奴をよく助けようと思ったよね。

ト「…あ、あのさ？敬語、やめようよ。」

………あ、やっぱり？

「…は…うん。」


はいって言いかけたわ。

ト「…………」

「…………」



……これは……どうすればいいんだ?


まぁいいや。

あやまる予定だったけど、お礼を言おう。


「………生きる意味を、くれて、ありがとう。」

目を伏せて言った。

バカにされそうで怖かった。

顔を上げると、ニコニコ笑った月浪がいた。

ト「いえいえ、こちらこそ。僕の恋人になってくれて、ありがとう。詩苑。」

笑い返した。

これは、幸せと思っていいのか？

…幸せとは、この事か。

これから。→←消えていく_____。

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