消えていく_____。 ページ45
月浪サンがハッと口を両手で抑える。
その少し隠れた頬は、少し紅くなっていた。
ってか、やべ…
不覚にも、声が震えてしまった。
逃げるチャンスだと言うのに、足が全く動かない。
その上、恐怖と困惑が混ざって意味がわからなくなっている。
ト「⁈ご、ごめん、泣かないで…！」
「え…？」
瞬時に顔を触ると手が生暖かいもので濡れた。
ト「ごめん。追いかけ回したり、問い詰めたりして…でも、必要な情報なんだ。お願い。」
「ぃやだ…今から私はこの世界を去るんだッ…絶対に言わない…！」
口が勝手に動いたように、無意識に喋っていた。
ト「お、落ち着いて…」
また…
「ﾊｧｯ…!ﾊｧｯ…!」
過呼吸になっていた。
思わずしゃがみこんでしまう。
月浪サンが背中をさすってくれる。
……なんだろうこの感じ。
落ち着く…？
ト「落ち着いてきた…？大丈夫？」
「…………」
無言でコクリと頭を縦にふる。
そういえば…。
さっきは反射的に体が逃げてたけど、今は全くそんな感じはしない。何故だろう。
この人なら、大丈夫なのか？
……いや、そんなわけない。
今まで結局誰も信じられなかったし、信じてもらえなかった。
なんだか、私の中に蓄積された、
恐怖と不安が
なくなっていくような気がした。
なんでだろう。
消えようって思わなくなってきた。
……まぁ、いつものパターンだと、
どうせ気のせいだろうけど。
最近考えのはき違えが多い。
しかも自分の中での。
まぁ、みんな所詮はそうだろうということにしておこう。
本当はﾀﾋなんて考えたくもないけど。
…空とはいつも一緒だったから、、、逝かないと。
私はスクッと立ち上がった。
そして自嘲するように鼻で笑って言った。
「私みたいなんが生きてても別に意味無いし、月浪サンだって、私がいなくてもなんとかなるはずです。
なので。」
それじゃ、と言う前に、手で口を押さえられた。
なんで？
ト「ダメ…！」
「…………」
私は言葉が見つからなかった。まぁ、口を押さえられてるからどちらにしろ喋れないが。
私は、月浪サンの手をどかして、聞いた。
「……なんで？何が？」
ト「…ダメなものはダメ。ﾀﾋんじゃダメ。」
なんでだよ。
ト「…こんな時に言うのもなんだけど…」
今度はなんだ。そう思っていると、衝撃的な言葉を耳元で、囁いてきた。
____好き、です。
_____僕の恋人に、なってくれませんか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aruya100(プロフ) - ピカヒカリさん» いえいえ、お礼を言うのはこっちの方です*^ ^*では、また明日、写真を載せさせていただきますね！可愛いイラストを本当にありがとうございますm(_ _*)m (2019年11月24日 1時) (
レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
ピカヒカリ(プロフ) - aruya100さん» は…！はい…！！ありがとうございます！！嬉しいです…！！！！ (2019年11月24日 1時) (レス) id: 20cb221a7f (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - ピカヒカリさん» イラストありがとうございます！すごく可愛いです！お気に召さないなんてとんでもないです。むしろ気に入りました！もし、よろしければなのですが、イラストを皆様にご紹介させていただきたいのですが、よろしいでしょうか？ (2019年11月24日 1時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - ピカヒカリさん» お久しぶりです。スランプの時はありがとうございました！ (2019年11月24日 1時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
ピカヒカリ(プロフ) - (image:http://uranai.nosv.org/uploader/common/0/4/e/04eb800173dd2e6e1e53ede6411fce56.png)になってます…！もし見れなければ言ってください…！ (2019年11月24日 0時) (レス) id: 20cb221a7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aruya100 x他1人 | 作成日時：2019年4月21日 18時
