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貴方 said
「きゃああああ!!火事よ!!」
「みんな逃げるんだ!!」
忘れもしない幼少期の夜。
原因不明の突然起こった火事。なぜか私の家だけ燃えてたの。誰も助けてくれないの。
『お父…さん…お母…さん』
家の中にまだお父さんとお母さんがいるの。
どうしてみんな逃げていくの?
お父さんは毎日村の為に作業しているじゃない。お母さんは貧しい人にパンを配っていたよ。誰よりもこの村の人たちを大事にしていたのに…
人間って残酷だ…
『まっててね…私も今からそっちに行くからね…』
頭から血が流れながら私は燃えてる自分の家へと近づく。少々辛いかもしれないけど痛みなんて一瞬。
ゴンッ
それからの記憶は覚えていない。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「…っ!…き…っ…A!」
『んぅ…?』
目を開けた時、そこにはるぅと会長が私の手を握って、泣いている姿があった。
『かい…ちょ?』
るぅと「!!A!A起きたんだね!」
私が起こす前に身体をギュッと抱きしめられる。
あれ…会長ってこんなに積極的にハグしてくる人だったっけ…というか私ナイフ刺さって死んだんじゃ…
るぅと「馬鹿っ…なんで僕の言う事を聞かずにこんなことをするんだ…!僕がどれだけ心配したか分からないでしょ…!馬鹿っ!」
『すみません…唯一みんなを助ける方法かなって…』
るぅと「人間に守ってもらう必要などない」
そこからはしばらくずっと抱きしめられていた。
肩に会長の涙がしみっているのがよく分かる。
私の事、そんなに心配してくれてたんだ…嬉しいなぁ…
あんなに人間に対して興味がなかった会長がね…。
『あっ…そういえばころん先輩と莉犬くんは…?』
るぅと「…莉犬ところちゃんは今回の件についてしばらくお父様の所に行くことになった。」
『そうなんですか…じゃあ会長のお母様とあの男の人は…?』
るぅと「…知らなくていい」
そう言い会長は私をもっと強く抱き締めた。
本当なら全部知りたいけど、これは会長の家庭内の事情だから赤の他人の私が首を突っ込むまでもないだろう…。
会長、怖かったよね…きっと。
私は泣いてる会長の頭を撫でる事しか出来なかった。
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もも。@です! - え分かります (2021年12月27日 16時) (レス) @page45 id: 5327744293 (このIDを非表示/違反報告)
千景 - みくりさん» それな(タメですいません) (2021年10月8日 17時) (レス) id: 6a7f4ce163 (このIDを非表示/違反報告)
みくり - あぁ やべぇ この作品、やべぇまじでやべぇ だいすきでぇすぅぅぅ (2021年9月19日 11時) (レス) id: 6f32075364 (このIDを非表示/違反報告)
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