【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

地球の女 ページ16

〜高杉side〜


先日、図書館で会った女の事を思い出した。
見たところ、鬼兵隊(俺達)の事に関しては無知の様だった。
そんな女に名前を尋ねられた時は、正直驚いた。
いや、面白いと思ったという方が適切だろう。

調べられてしまったら終い。
勿論そんなの分かってる。

だが、どうしても言いたかった。
そう思った理由は、自分でも分からねぇ。


「晋助、近頃、とても良い顔をしているでござるな。久々の地球で、何かあったでござるか？」


そんな万斉の問い掛けに、思わず笑いが零れた。


「ああ、面白ぇ女に会ったんだ。偶然寄った図書館でな。」

「ほう…あの晋助を面白いと思わせる女子(おなご)か。どんな曲か、聞いてみたかったでござるな。」

「ククッ、きっとおめぇも驚くさ。」


そう告げ、煙管(キセル)を口に運んだ。
その瞬間、部屋の扉が勢いよく開いた。


「晋助様、万斉先輩！見て下さいッ！！」


目に入って来たのは、女らしい簪を付けた俺の部下。


「簪でござるか、如何したでござるか？」

「此間地球に行った時、そこで仲良くなった人と一緒に買ったんス！」

「そうか、良かったでごさるな。」


それを聞いて、会ったのは女だと察しがついた。
そこで出てきたのは、またあの女の顔。

あの時、名前を聞かずに出てしまった事を、何処かで後悔している自分がいる。

何故ここまで、あの女に深入りするのか……

それに気付くのは、容易では無いらしい。


「晋助様？難しい顔して、如何かしましたか？」

「いや、何でもねぇよ。」

「先程まで嬉しそうにしておったのに、今の一瞬で何があったのやら。」

「え？！何スかそれ！！私にも教えて下さいっス！！」

「大した事じゃねぇさ。俺も此間_____。」


だが、焦らなくて良い。
次もいつか、また会える。



そう、心の何処かで思えたから_____。

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