【リレー小説】スカイハイ転生学園！～職業体験編～ (ページ41)

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後悔は空へ【山口海】ページ41

『駆逐艦島風』

私の言葉に呼応するようにカードが

光り、足が軽くなる。間に合うか……。

何とか、ギリギリの所でユノさんの

後ろの敵を吹き飛ばし、先生とユノさん

の安全を確認する。先生は申し訳なさ

そうに顔を歪ませていた。

「ごめんね、山口さん。僕が気を抜いて

いたから……」

あぁ見たことがある。戦いの後に

この顔をする部下たちは沢山いた。

どうにもできないことに対しての後悔。

前世でも戦いの世に身を置いていた

私でも、未だになれないこの重荷は

大切な人を亡くした先生には余計に

重いのだろう。

「いえ、私も騙し討ちは嫌いなので。」

短く答え、今度は本から『戦艦金剛』

のカードを取り出す。

「さぁ、今宵も勝利を刻みましょう。」

「ぎゃあああ！！」

断末魔を響かせながら、オーバー

ドーズが崩れ落ちる。やはり、金剛は

スピードと火力のバランスがいいな。

なんて考えていると、電探に反応が

あった。

「先生四時の方向です！」

「お、ありがとう」

近くにいた先生に位置を知らせ、

ふっと息をつこうとすると、ユノさん

の緊迫した声が聞こえる。

「先輩、後ろ！」

「はあっ！」

勢いのまま後ろに向かって回し蹴り

をすると、ゴッという、人体では

ありえない音がなり、後ろで武器を

構えていたオーバードーズの顔面に

赤い跡ができた。

「な、なんなんですかあの音！？」

驚くユノさんにズボンを整えながら

答える。

「今、装甲が厚い船にしているから、

足にその能力を付与させたの。」

「な、なんでもありですね……」

驚き呆れた様子のユノさんを

微笑ましく思っていると、先生から

指令が飛んだ。

「ほとんどの敵は殲滅したはずだから、

残党に注意しながら進もう。」

「「了解！！」」

先生に返事をして、ユノさんと無言で

頷きあうと、出口へ向かって走り出す。

『航空母艦赤城』

私の本気はここからですよ。空の恐怖を

教えてあげましょう。