【リレー小説】スカイハイ転生学園！〜職業体験編〜

素【葦籠神音】 ページ5

窓の外、食堂へ向かう人達を横目に見ながら、自分は弁当箱を開けて付属されている割り箸を綺麗にパキッと音を立てて割った。

膝に乗せた弁当箱を見ると食欲が湧いてくる。早く食べようと、弁当箱の蓋を開けようとすれば、鞄からいつ買われたのかわからない携帯が着信音を告げる。今時の電話となれば知る者としては1人しかいない。

｢はいはい…姉さん？｣
｢神音ー！元気？去年みたいになってない？友達作ってる？｣

義姉。どこか見たことのある義姉。絶対に守りたい義姉(かぞく)。

｢いっつも会ってるじゃん…。で？なんかいつもよりテンション高いじゃないか。どうしたんだい？｣
｢いやー！今日お弁当を作れたってのもあるんだけどね、授業参観に私が行けることになったのー！｣

…え。まてまて、それは少しヤバいぞ。1年から変わってないのがバレてしまうし、何より姉さんだと暴走しかねない…！

｢ちょ…。ちょっと待って。なんで、なんで行けるようになったのか？去年は義母さんが来ただろ？｣
｢あーそれがね…。今年はいっぱい家族が増えちゃったでしょ？だから授業参観にお義母さんとお手伝いさんが行ってしまうと人手が足りないんだとか…｣

な…なるほど。それなら来られないのも仕方ないかもしれない。

｢…りょーかい。それじゃあ切るよ。バイバイ。｣
｢えっちょまって…！｣

ブチッ

強制的に携帯を切って、電源をオフにする。次に電源を入れる時には着信履歴が山のようになっていることだろう。

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