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こんにちは、英雄【遠江衛】 ページ39

「やァ英雄(ひーろー)諸君。元気かイ?」

 各地へと放った部下たちの6割がやられた辺りで、俺は学園へ潜入していた庵治炎寿が職業体験に来ていると言う、エンジン消防に姿を現した。

「てめぇ……! こいつらの上司か!?」
「ま、そんなとこかネ。いやぁ、俺の部下たちが大変迷惑かけた」

 なんて、思ってもいないことをへらりと言ってのければ、ここの署長であるという男はまた声を荒げる。「ふざけるな」、「なにがしたいんだ」、「帰れ」……アァ、馬鹿馬鹿しい。俺はこんなにも英雄(ひーろー)たちを、アンタたちを思いやってるってのに!

「そうだナ。俺の部下も沢山やられちまったし、そろそろ退散かもしんねェナ」

 そう言えば、目の前の署長は俺に向かって拳を振り上げる。まァ当然の反応だろうナ。そりゃ俺だって、俺が英雄(ひーろー)ならばそうするサ。だってそれが正しいと思うもんナ。──でも、違うんだヨ。

「『正義』、ってのは、そんなに綺麗なもんじゃねェのサ」

 振るわれた拳を避け彼にふれれば、その力は5分間だけ俺のものになる。『魔法』という最大の武器を奪われて、アンタはどうするんだろうナ。
 拳を避けられたからか、署長は魔法を使おうとしたらしい。使えずにあたふたとしている姿が滑稽だ。

「っ、てめぇ、何をした!?」
「何って、俺の魔法を使っただけサ。それとも俺は魔法を使っちゃ駄目だったのかイ?」

 ひでぇなぁ、と煽って見せればまたこっちへと向かおうとしてくる。しかし庵治がそれを止める。……アァ、こいつはわかってるんだナ。

「……そうさなァ。わかってるやつが多いなら俺も苦労しねェんだけどナ」

 なんて、ぼやいてみる。英雄(ひーろー)側のやつらはなんのことだかさっぱりだと言うように、首をかしげている。

「ひとつ言っとくぜ。これは質問じゃねェから、考えなくていいけどヨ。──……なんでアンタらは、英雄(ひーろー)なんだ? ……英雄(ひーろー)は、なんのためにいる。そのための綺麗事で、アンタらの『正義』の裏側で、どれだけの人が苦しんでいるのか、考えたことはあるのかイ?」

 考えたことなんて、ないだろう。

不確定な存在証明【雲隠在時】→←同意、その先に【庵治 炎寿】



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雨読@低浮上…?なのか?(プロフ) - まだ四十八話だったのですが、続編の考査編へ移行させていただきます!これからも宜しくお願い致します! (2020年7月26日 16時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新しました。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新します。 (2020年7月10日 8時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - 更新しました。 (2020年6月30日 18時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - お久しぶりです。更新いたします。 (2020年6月30日 17時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年5月12日 16時

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