【リレー小説】スカイハイ転生学園！～職業体験編～ (ページ31)

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「いえ。まさか」
　「ですねー」
と、ネイビーは乾いた笑い声を、本田は訝しむような嗤い声を発した。
しかし、その笑い(嗤い)声はすぐにぱたりとやんだ。
先ほどとは一変、本田が真面目な顔をしながら口を開いた。その険しい表情に、ネイビーの顔も連れ立って険しくなる。
　「予言が出ました」
　「…予言ッ！？」
本田の口から思ってもみないワードが飛び出したものだから、石段から落ちそうになったネイビー。
本田は表情はあくまで真面目に、だが心の中で彼を嗤いながら話を続ける。
　「ええ、予言です。私が誰の転生者か、お気づきでしょう？」
はぁ…？何言ってるんだ、この人は。そう言いかけたネイビーが、慌てて口を閉じる。
その代わりに、「えーと…豊臣秀吉？」と、ずれた眼鏡のブリッジをくいっと人差し指で上げながら、適当に答える。
突如として、本田が「ぶはっ！」と、盛大にふきだした。ふきだすだけでも驚くのに、その上腹を抱えて嗤いだしたのでネイビーができるは驚くだけ。
珍獣でも見るかのような目で本田を眺めていると、
「もしかして、豊臣秀吉が神社作ったと思ってたんですか？」
本田がその整った目尻にたまった涙を人差し指で拭いながら言った。
　「あ…いえ…そんなことは…」
本当は、徳川家康と言いたかったのに、豊臣秀吉と言ってしまったのだ。
(さらに本当は狸親父と言われていた徳川家康みたいな性格をしているからだ)
なんてことは、ネイビーは死んでも言えない。
　「賀茂忠行ですよ。安倍晴明の師匠の」
誰だ？と、言いかけたがなんとか口を閉ざすことに集中するネイビー。
　「まあ、いいですよ。最終日に来ますから」
ではさようなら、と、本田が音もなく巫女服をひらめかせ、神社の鳥居の向こうへと消えていった。
一人、斜陽が照らす石段に取り残されたネイビー。
彼が出来ることは、鳩が豆鉄砲ならぬ、マシンガンとロケットランチャー、火縄銃を一度に喰らったみたいな顔をして、ただただ立ち尽くすだけだった。