抹本＊ゴスロリ(1) ページ21
｢ねぇ赫坂さんは、あたくしみたいな服は着たりはしないのですか？｣
｢え？｣
突然、紅薔薇さんにそう問いかけられた。
この日は非番で彼氏の抹本に会いに来ている。
生憎彼は今手が離せないらしく、抹本の手が空くまでこうして紅薔薇さんの部屋でお話をしていたのだ。
｢紅薔薇さんみたいな服…というとゴスロリってことですよね｣
｢えぇ、きっと赫坂さんは似合うと思いますの！｣
そういってずずいっと寄ってくる紅薔薇さん
今日は私服だが、おしゃれに疎い私の今日の服装はゆるっとしたパーカーにショートパンツだ。
｢私、紅薔薇さんみたいな服持ってないですし、可愛いとは思いますが、似合わないと思います｣
｢いいえ、そんなことありませんわ！赫坂さんはすっぴんとは思えない綺麗な顔立ち、毛穴ひとつない肌、そしてゴスロリに合うサラサラとした髪をお持ちですのよ！似合わないはずありませんわ！｣
｢私化粧とかしたことないし、どれが似合うかわからないし…｣
｢それでしたら、この紅薔薇にお任せください！
最近、毒虫さんと何も無いのでしょう？ここは気分を一変！彼女が可愛くなったらどんな反応するのかあたくしも気になりますので！｣
｢うっ…｣
紅薔薇さんの言う通り、最近抹本と何も進展がない
進展がないというか、抹本が実験室に篭っているから何も無いのだ。だからこうして心配で様子を見に来たのだがなんか話しかけちゃいけない雰囲気だったから一旦離れたわけだ。
薬ばっかりの抹本をびっくりさせたいのと、振り向かせたいのと、たくさん交わって
｢お、お願いします…｣
紅薔薇さんにお願いをした。
＿＿＿＿＿
｢おぉ…｣
｢素晴らしい、とてもお似合いですわ！｣
服選びからヘアセット、化粧まで全て紅薔薇さんがやってくれた。
黒いゴスロリ(落ち着き目な感じ)を着てみた。
まるで自分じゃないみたいだ。
｢すごい…別人みたい…｣
｢とても可愛らしいですわ、ささ、毒虫さんの所へ向かいましょう！｣
＿＿＿＿＿
紅薔薇さんの部屋からでて、実験室に向かう。
その途中で先生と水銀さんに会った。
｢おや、誰かと思えば赫坂くんではないか。そのような服を着てるとは珍しいね。｣
｢まるで別人のようですわね。あぁ、毒虫さんでしたら先程薬が完成したと喜んでいるところでしたのでまだあちらの部屋にいると思いますわ｣
そう教えてもらい、礼をして再度向かう。
｢抹本…？｣
入ると、嬉しそうな顔をした抹本がいたが、私を見るなり驚いた顔をした
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作者名：ある人 | 作成日時：2021年1月15日 0時
