谷裂＊鍛錬(2) ページ13
腹筋をしている際に数を数えつつチラッと隣の彼を見ると、私よりも多く数を数えながら、谷裂は早く体を起こしあげている。
やっぱりその辺は男女の差なのだろうか。
そういうところにもドキッとする
腹筋を終え、汗を拭……こうとする時になんとなく、谷裂と同じような拭き方をしてみた。
｢なっ…！？｣
谷裂は顔を真っ赤にして驚く。
お腹だけ、捲りあげて拭いてみたのだ。
｢貴様！何をしている！！｣
｢何って……汗を拭いてるだけだけど？｣
｢普通にタオルで拭け！そこにあるだろう！｣
｢谷裂もさっきこうして拭いてたじゃん｣
｢女がするものではないだろう！｣
顔を真っ赤にして焦る谷裂。ちょっと意地悪してやったけど、普段全く表情が変わらない彼がこうして焦ってるのを見ると少し面白い。
もう少し、意地悪してやろう。
私は上に着ていたジャージも脱ぎ、その場で伸びをして、少し肌が見えるようにしてやった
ちなみに、脱毛を普段から通っているので毛は生えてない。
｢……っ！！｣
さらに顔を赤くして、耳まで真っ赤にする谷裂。
やばい、めちゃくちゃ可愛い
｢さっ、休憩終わりにして続きしよ？腕立てするなら、上に乗ってあげようか？｣
｢…あ、あぁ、そうだな、頼む｣
うつ伏せになった彼の背中に乗り、正座をする。
そして、谷裂は腕立て伏せを始めた
…表情は伺えないが、耳はまだ赤い。
｢…赫坂｣
｢んー？｣
｢あまり女が肌を見せるな。俺以外の奴が見たらその…なんだ……お、襲う奴だって…いるかもしれないだろ…｣
｢襲う奴って……私に対してそういう目で見る奴って特務室の男たちどれだけ飢えてるのよ｣
｢……｣
｢…谷裂は、襲わないの？｣
｢はっ！？｣
谷裂は驚いて腕立て伏せを中断した
完全にうつ伏せになったので、降りて谷裂の肉のないほっぺをつんつんする
｢貴様…そういうのは本当に好きなやつにするものだろう……好きなやつはいないのか？｣
｢いるよ。ここの特務室にね｣
｢…だったら俺にするな。そいつにしろ｣
そう言って立ち上がる谷裂
｢どこ行くの？｣
｢…少しシャワーを浴びてくる｣
谷裂が立ち去ろうとした時に
｢谷裂、私好きな人以外にこんなことしないよ｣
｢…は？｣
｢谷裂が好きだから、ちょっと意地悪してみたんだよ｣
つい、口走ってしまった
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作者名：ある人 | 作成日時：2021年1月15日 0時
