【獄都事変】金色のあなたと、【短編集】 (ページ2)

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斬島＊任務(1) ページ2

斬島と任務が一緒になった。何たる偶然。何たる幸運。
現世で悪さをする悪霊退治という単純な任務だが量が多いらしい。
なんでも、お盆で現世に還る霊が多く、それに比例し悪さをする霊や魑魅魍魎が多いとかなんとか。
全員で手分けをすることになり、くじ引きで別れ、斬島と2人で廃病院に行くことになった。

みんなと別れ斬島と2人きりになった瞬間、急にドキドキしてきた。

私が斬島に惚れたのは初任務の時、共に戦ってくれた時に優しくしてもらったからだ。
その任務には田噛と平腹がいたのだが、平腹は寝ていて、乱暴に叩き起すなどして意外と容赦ないな、と思ったのだが、私がミスをした時に気にするな、とポンっと肩を叩かれた時に惚れた。
たったそれだけ。たったそれだけなのだが、その後も優しく、真面目な斬島にどんどん惚れていったのだ。

うわー、わー、私が怪我とかしたらおぶってくれたりするのかなー
今日化粧変じゃないかな、ちゃんとお風呂入ったけど変な匂いとかしないかな、
やばい、2人で任務とか最初の時以来すぎて死なないけど死にそう

｢赫坂？｣

斬島が私の顔を覗き込む。

｢へっ？！あ！どした？？！｣
｢顔が赤いが大丈夫か？｣
｢だ！だだだ大丈夫！いや、今夏でしょ！？軍服暑いなーって！あはは！あ、ほら病院着いたよ！｣
｢…熱中症には気をつけるんだぞ。｣

そう言って病院に入る斬島。
やばい、歩いてるだけで国宝級にかっこいい。

ドキドキしているとは言え、任務は任務。遊びじゃないんだ。集中しろ。
切り替えがはやいところ。当たり前のことだが自分の長所だ。斬島に当たらぬよう、弓矢で援護する。
背中に近づかれたら短剣で戦い、倒していく。

……だが、いつもより本当に量が多い。
私はみんなみたいに一撃を出すのが遅い。その分一撃は強いが体力の消耗が多い。鍛えているとはいえ、弓の方が得意でも長期戦は苦手だ。

なんとかして長く体力を保つよう、できる限り短剣で戦った。