ーー失楽園と楽園ーー 2 (ページ11)

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(YG ver.)

そして、久々の再会をしたテヒョンから香る匂い。Aと会話。何もかもの辻褄が俺を苦しめた

取られると思えば人は欲する気持ちが強くなるのだろうか。誰にも触れて欲しくなくて俺だけのものだと叫びたかった。

それなのに、また部屋の中に残るテヒョンの香りに頭に血が登った。腹が立った。俺のものだと！俺が見つけた人だと！

何も肝心な事は伝えていないのにAに気持ちを押し付けるかのように怒りをぶつけ、そしてその日、

YG｢別れて欲しい、｣

5年も愛がなかったとはいえ連れ添った妻に別れを告げた。

RN｢いまさら、…いまさら何を言ってるの？｣

YG｢好きな人が出来た。｣

自分勝手だと分かっていた。2年近くも不倫をしていた上に他の男に取られないよう彼女を引き止められるように別れを切り出す俺は、家庭を壊す俺は誰がどう見ても最低だった。

RN｢愛されてないなんて分かってた！それでも！……それでも、……いつか向き合ってくれると……っ、｣

泣いて崩れ落ちる彼女を抱きしめることすらしたくなかった。俺は悪魔にでもなったのだろうか。ただひたすらにAが欲しい。その一点張りで頭は埋め尽くされていた。

チャンスがあるのなら、少しでも俺にチャンスがあるのなら神様だって信じてやる。だから、気持ちを引き止めていたいとそう願ったのに、

何一つ上手くいかないのは、Aに甘えた俺の、家庭に背を向けた俺の、傲慢で自分勝手な性だと今更に思い知らされただけだった。