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初めての会議は驚きの連続だった。
特に二宮さんは仕事ができると言われている理由がよくわかった。
周りの女性社員がチヤホヤしているのはそういうことなのだろう。
二宮さんには色んな噂がある。
この私の耳にでさえよく入ってくる。
ある時はトイレで…
女「二宮さんって、部署内で3人と付き合ってるらしいよー」
またある時はロッカーで…
女「二宮さんって、実は子供いるらしいよー」
はたまたある時は電車のホームで…
女「二宮さんって、マダムな女性に貢いでるらしいよー」
なんて会話をよく聞く。
どれも根拠のない「らしいよー」って会話だ。
よくそんな話で盛り上がれるなと、いつも不思議に思っていた。
まとめもあともう少し。
小休止がてら自動販売機に行く。
甘いホットコーヒーを買って飲みながらデスクに戻る。
すると私のデスクに誰かがいた。
私はびっくりしてコーヒーを落としてしまった。
私「あっっ！！」
床に広がるコーヒー。
私は急いでペットボトルを持ち上げる。
すると雑巾を持った男性が私を見下ろしながら目の前に現れた。
私「っ、に、にのみやさん…？」
和「えらい派手に零したな」
するとしゃがんでコーヒーを拭き始める。
私「あっ、すみません、私がやります」
和「いいよ、オレに驚いたんでしょ」
手持ち無沙汰な私はしゃがんだまま俯く。
私「…すみません」
少しの沈黙のあと、二宮さんが口を開く。
和「まとめ、よくできてる」
私「えっ…？？」
急な言葉に思わず顔を上げる。
二宮さんと目が合う。
すると二宮さんは拭き取った雑巾を持ち立ち上がる。
また私は二宮さんを見上げる。
和「さすが藤野さんが育てただけある、よくできてた」
私「えっ…」
私は言葉が出ない。
気付けば泣いていた。
和「えっ、なんで泣くの」
私は今まで全く自分に自信が持てない人生だった。
ましてや褒められるなんて何年振りだろうか。
無口で評判の二宮さんが私にわざわざ…。
しかも名前だって知らなかった私のことをわざわざ…。
そう考えたらなぜか涙が止まらなかった。
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作者名：みょーちん
| 作成日時：2019年1月22日 0時
