表情の裏の感情＊N＊ (ページ11)

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和side

自分でも大胆な提案だったと思う。

でも会社でさようならなんてできなくて。

すげー強制的に送っちゃったけど、彼女が嫌がってないことを祈るばかりだ。

1人の女の子にドキドキするなんて。

何年振りだろう。

いや、初めてかも知れない。

俺に近づいてくる女の子はみんな、婚活しに会社に来てるようなのばっかだった。

だからこそ、いつもシンプルな服装で、ただひたすらに仕事をこなす彼女に惹かれていったのかも知れない。

カーステからは某人気アイドルグループの曲が流れている。

柄にもなく少し聴き入ってしまった。

自宅に着くといつもと同じように、ゲームの電源を入れてからスーツを脱いで、部屋着に着替える。

冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを取り出して、昨日食べきれなかったコンビニの漬物をおつまみにする。

いつもの定位置、ソファーとガラス張りのローテーブルの間に座ってゲームを始める。

でも頭の中はあの子でいっぱいだった。

いつも自信のなさそうな彼女。

本当は出来る子なのに、どこか秘めてる感じ。

気になってしょうがない。

たぶんこんなに人に興味が湧いてるなんて大野さんが知ったら驚くだろうな(笑)
なんて考えながら、今日は疲れたからもう寝ることにした。