episode１６幸太郎side ページ16
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野口さんに呼ばれた秋くんが行き、僕は１人で駅まで歩こうと思っていた。
学校の敷地を出たところで、早川優に呼び止められるまでは。
「こーたろーくん！」
「あー……」
よりによって、１人の時に関わりたくない人Ｎｏ．２に会ってしまうのは、僕の運の悪さか。
ぼそっとＮｏ．２と呟いて反対側に進もうとしたが、前に立ち塞がられた。
「ねー、Ｎｏ．２って何さ？」
「お気になさらず」
「立花くん、今日は居ないんだ？」
「呼び出されてたからね」
「誰に？」
「女の子」
Ｎｏ．２を避けて歩くと、その横に並んで着いてくる。
前にも思ったが、この人しつこいから苦手だ。
「女の子かぁ〜、告白かな？ あぁでも、立花くんちっちゃいもんね、モテないかな」
「……そう思う？」
「いや。モテそうだね、可愛いし平等主義そうだし」
平等主義、か。
そうかもしれない。
秋くんは誰にでも優しいし、相手を問わずはっきりしている。
友達でも先生でも、悪いと思ったら怒るし。
嬉しいことに、僕にはほかより少し優しい。
そんな秋くんに、僕は１度だけ本気で怒られたことがある。
中３の夏に、具合が悪いのに無理して学校に行ったら熱中症まで引き起こして倒れた。
保健室でぐったりしていた僕のところに走ってきて、秋くんに本気の説教をされたのだ。
保健の先生に静かにしなさいって怒られた秋くんは、心配したんだからな、もう無理すんなよって。
今でも良い思い出だ。
「あ、そうだ。明日暇？ 土曜日だけど」
「おっ！ 何なに、デート？」
「やっぱ良い。さよならー」
「ちょっ、冗談だから！ 教えてよ〜……」
秋くんの計画のため、僕が早川を誘うことになっていたと思い出し、それとなく切り出してみた。
土曜日の午前１１時に、学校の裏の公園で待ち合わせ。
ちなみに、その後のことは全く考えていない。
だから、あとは帰ってから秋くんと話して決める。
「じゃあ僕帰るねバイバイまた明日」
前回同様走って逃げる。
早川は追ってこなかった。
「ただいまー」
家のドアを開けてそう言ったが、鍵がかかっていたことから察した通り、僕が先だったようだ。
中からおかえりという声が返ってくることはなかった。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます！ 更新頑張ります！ (2017年2月21日 19時) (
レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です！ これからも更新頑張ってくださいね！ 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年1月19日 21時
