episode４０ ページ3
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とは言え、ずっと繋がれていると自分と相手の体温が混ざっている感覚に心臓がばくばくしてしまい、俺は緊張していた。
「は……早川くん、私、大丈夫だよ？」
抑えきれなくて赤くなった頬をそのままに、早川の顔を覗き込んで言う。
「俺が繋ぎたいだけ。離さないでね？」
「う……うん」
遊園地の入場ゲートをくぐると、予想していたより少し小規模な人混み。
早川に手を引かれたまま最初に向かったのは……この遊園地、イノセントランド(創業者のネーミングセンスは謎だが)の中心にあるレストラン、イノセントキッチン。
どんだけイノセント推すんだ、と思うが、料理は美味しかったのでまあいい。
「さてふたばちゃん」
「んー？」
「ジェットコースター、行こうか」
爽やかな風が俺たちの間を通りすぎた。
「えっ、いや、ちょっ、ほ、ほらご飯！ ご飯食べたばっかりでジェットコースターはちょっと危ないんじゃない？」
「大丈夫でしょ！ ふたばちゃん全然食ってなかったし」
「いやいやいや」
どうにかして回避したい俺に、早川はにやりと笑いながら手を引く。
「もしかして、怖いの？」
「怖くないよ！」
意味のわからない俺の意地のせいで、ジェットコースターに乗ることになった。
列の最後尾に並ぶと、自然とため息が出る。
ジェットコースターってあれだろ？ 高速で動く高いところから落ちたりするあれ。
そんなのに乗れって？ 最悪じゃん。
「あ」
小さく声をあげた早川に顔を向けるより先に、肩に手が回されぐっと引き寄せられた。
何事かとびくついた俺と目があった早川は笑う。
直後、先ほどまで俺が立っていた位置をふたりの子供が走っていった。
そのままそこにいたらぶつかっていただろう。
つまり、早川は、俺がぶつからないようにしたと、そういうことか？
紳士かよ、と思わずつっこみそうになったがこいつは紳士とは程遠いやつ、俺に言わせてもらえばいい印象は微塵もない女たらしのクソ野郎だ。
だからない、今だってジェットコースターに乗せられそうになって早川に苛立ってるだろ。
だから、今ドキドキしているのはジェットコースターに対する緊張であって、早川の行動に対するときめきでは、ない。ほら、しっかりしろ、立花秋。
しっかりしろ、佐藤ふたば。
「ふたばちゃん」
「何ー？」
「ずっと言おうと思ってたんだけど」
「うん……？」
「その服、似合ってる。可愛い」
心臓が一際大きくたてた音を、俺は確かに聴いた。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 腐った林檎さん» ありがとうございます！なかなか更新できませんが、コメントとても励みになります！ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 88af71ac7b (このIDを非表示/違反報告)
腐った林檎 - 更新頑張ってください！このシリーズ大好きです♪ (2017年6月23日 17時) (レス) id: ad9b3355a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾音日和。@たこむし(プロフ) - 抹雨喇らいとさん» ありがとうございます！気づくのが遅くなってすみません、更新頑張ります！ (2017年5月15日 17時) (レス) id: 1e9658af6f (このIDを非表示/違反報告)
抹雨喇らいと - 引っ越すんですか！いろいろと大変かと思いますが更新ファイトです！応援してます(*´∀`)♪ (2017年5月8日 21時) (レス) id: f0fdb2d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年4月19日 23時
