episode４８ ページ11
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俺の見立ては当たり、この日から体育祭の準備が始まった。だいぶ忙しくなってきたが、実行委員の幸太郎は俺よりもずっと仕事が多いので大変そうだ。
昼休み、幸太郎の書類整理を手伝いながら喋っていると、担任に話しかけられた。社会の先生である担任は、幸太郎に次の授業で使う資料を図書室から借りてきてほしいと頼んでいった。
「歴史の資料だね……四冊だって」
「俺が行くよ。こたろう忙しいだろ？」
幸太郎の手からメモを取って立ち上がる。実行委員で忙しい幸太郎にやらせるのはちょっとな、と思った。
「ありがとう秋くん。お願いするね」
「おー。それ、頑張れよ」
「うん、頑張るー」
教室を出て図書室に向かいながら、メモに書かれたタイトルを読む。こういうのはどの辺りに置いてあるんだろうか。図書委員の栞奈か南についてきてもらえば良かったな、なんて思いながら図書室に入ると、なんと早川が居た。そういえば教室に居なかったが、なんでまたこんなタイミングでここに居るんだ、図書室に居るタイプには見えないけれど。
先生というのは、基本的には授業に使うものは自分で持っているものだ。だから、図書室を利用するのはだいたい生徒で、つまり生徒があまり読まない本は取りづらい高い位置に追いやられるということになる。そう、目当ての本は一番高いところにあった。背伸びをしてみたが、届かない。身長が低いことに久々に憤りを感じながら踏み台を探していたが無い。もう一度頑張ってみてダメだったら椅子を持って来てそれに乗ろうと思い、手を伸ばす……人差し指が本の下の方に触れたが、それだけでは取れない。仕方が無い、背が低いから椅子を使わないと一番上の本が取れないだなんて恥ずかしいが、プライド云々と言っている場合ではない。手ぶらで帰ったら怒られるのは幸太郎だ。
はあ、とため息をついた時。はい、と声がして眼前に取ろうとしていた本が差し出された。
「え……？」
「それでしょ？ 立花くんが取りたかった本。違った？」
「……いや、これだよ。ありがとうな」
「ふふ、どういたしましてー。困った時はお互い様。君、俺が居るの気が付いてたでしょ？ 俺もあんまり背高い方じゃないけどさ、頼ってくれても良かったんだよー？」
へらへら笑った早川。正直、ただの女好きだと思っていたので、男相手にこんなことをするとは意外だった。……少し見直したかもしれない。
「ああ。ありがとう、そうするよ」
他の資料も取ってもらい、それを抱えて、俺は足早に教室へ戻った。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 腐った林檎さん» ありがとうございます！なかなか更新できませんが、コメントとても励みになります！ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 88af71ac7b (このIDを非表示/違反報告)
腐った林檎 - 更新頑張ってください！このシリーズ大好きです♪ (2017年6月23日 17時) (レス) id: ad9b3355a7 (このIDを非表示/違反報告)
綾音日和。@たこむし(プロフ) - 抹雨喇らいとさん» ありがとうございます！気づくのが遅くなってすみません、更新頑張ります！ (2017年5月15日 17時) (レス) id: 1e9658af6f (このIDを非表示/違反報告)
抹雨喇らいと - 引っ越すんですか！いろいろと大変かと思いますが更新ファイトです！応援してます(*´∀`)♪ (2017年5月8日 21時) (レス) id: f0fdb2d6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこむし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時：2017年4月19日 23時
