第60話 時の王と女 ページ11
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ちらり、とAの横顔を見ればひどく美しい顔で手の中にあるティーカップを見つめていた。
すっと通った鼻筋に、色付きのいい唇はどこか色香を感じてしまう。
そして美しく伸ばされた少し癖のある髪はまるで絹のようだ。
『私、今回は貴方と契約した覚えは無いのだけれど』
こちらを向いたAの頬は桜のような淡い桃色に染まっていて、どこか気怠げでアンニュイな表情を浮かべていた。
妖艶な目が心をとろりとさせるほど狂おしく突き刺さる。
記憶がない時も可憐で子猫のような愛らしさがあったが、危うさがある今の女の方が断然良い。
さぁ、どう答えるのがいいだろうか。
「今から契約すれば問題ないでしょう？」
『今世は普通の女として生きたいの』
「記憶を取り戻さなければ普通の女性として生きられたでしょう。
ですがもう無理だ。現に貴女は中級の
この学園は私のテリトリー。中級レベルが召喚されて気付かない筈がないでしょう」
Aの手元からするりとティーカップが滑り、やがて絨毯の上に落ちた。
人間はすぐに死ぬ。
そんな取るに足らない存在であるこの女に執着している私がいる。
今だって、
気丈な振りをしていても、手が小さく震えているのが隠せていない。
そんな姿が愛おしい。
――貴女をどう堕とそうか、と。
そこまでは告げなかったが彼女が不思議そうにこちらを見つめるその表情があまりに好ましく、
気付いた時には思わず手を伸ばしていた。
『ッ。近い、離れろ』
腕に触れれば、本当は振り解いて拒絶したいのに、
時の王である私から逃げられないと理解しているから逃げはしない。
ただ、私が触れた指先に力を込めるばかり。
指先から上にするりと撫でて二の腕を触れるか触れないかの力加減で触れる。
そうするだけでビクリと体を震わせ、濃いピンク色の瞳にじわりと涙が浮かぶ。
ああ、可愛い。とても愛らしい。
「残念ながら主人でもない貴女に私が従う義理などない」
ぎゅうとぬいぐるみでも抱きしめるように抱きしめれば、大人しくなる。
腕の中でうろたえている存在が愛しい。
このままずっと女が首を縦に振るまで抱きしめていようか。
それともこれ以上先へ進んでみるか？
でもそれをすれば確実に女は学園の外へ逃げるだろう。
抱きしめていた腕をそっとほどき女の顔に伸ばせば、柔らかな耳に指が触れる。
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森ミク(プロフ) - 白い悪魔Loveさん» 表紙とっても素敵ですよね！プレゼントして頂いたものを使わせて頂きました。メフィストの妖しさも表現できているなら嬉しいです！メフィストはお茶目でも悪魔としての顔も持っているのでその違いをしっかりと伝えられていればな、と思います…！ (3月2日 21時) (
レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
白い悪魔Love - 表紙めちゃくちゃ素敵ですね！メフィストの大人っぽい感じの表現や作者様の色っぽい文章にとても惹き付けられました。青の祓魔師の夢小説の中で1番この作品が好きです‼️更新頑張って下さいませ。 (3月1日 22時) (レス) id: 3d805667a2 (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - アコさん» コメントありがとうございます。イラストの方ですが扉絵として掲載しようと考えております故しばしお待ちいただければと思います。 (2月29日 14時) (レス) id: 1a3deb8128 (このIDを非表示/違反報告)
アコ - 続編おめでとうございます🎊🎉この作品とても好きなのでいつも更新楽しみにしております！できれば夢主ちゃんのイラスト見てみたいです！ (2月28日 20時) (レス) @page8 id: 03d0b92719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森ミク | 作成日時：2020年4月9日 14時
