────ねぇ、環 ページ50
温かい
大好きな匂いと、体温に包まれながら、Aはふにゃりと笑った
(…なんだろ、すっごく幸せ)
しっかりとした身体にすり、と寄ってみると、尚更ぎゅ、と抱き締められる
(…幸せだなぁ)
ふわふわと宙に浮かんでいるような感覚に身を委ねていると、なにか唇に温かいもの
今、何が────
ゆっくり、ゆっくり瞼を開けると、すぐ近くには天喰の顔
「…ごめん、起こした？」
ちょっとだけ顔を赤くしながら、天喰はAの髪の毛をするすると撫でる
「おはよう」
「あ…、おは、よう」
微睡みが一気に抜けて、昨夜のことを思い出す
(うわぁあ、昨夜自分からあんなこと言っておいて、寝るなんて…！)
腕の中で羞恥にもぞもぞとしていると、察したのか天喰は「A」
見上げると、真っ直ぐな瞳で此方を見つめていた
「…ゆっくりでいい
俺たちのペースで」
ね、と安心させるように優しく微笑む天喰に、色んな想いが一気に溢れて
「…うん、たまき」
微笑み返して、そっと彼に身を寄せた
名残惜しく思いながら駅へと二人、手を繋いで歩いていく
静かな時間が通り過ぎていく
この沈黙が…、ただ、貴方と手を繋いでいるこの時間が、言い表せないほど幸せで
昨日鯉を見つめていたあの橋の上で、不意に立ち止まると、天喰も足を止めた
「A？」
ちょっと、言うのが恥ずかしいけど
いつも、数え切れないほど幸福を、貴方から貰っているから
だから────
風がざあっと吹いて、まだ残っている紅葉が、ちらちらと舞った
「────ねぇ、環」
髪の毛を押さえながら、真っ直ぐに環を見つめて
「私、環に出逢えて、恋をして────本当に、幸せ」
この胸の奥から湧き上がる想いは、どんなに言葉を尽くしても表せないけど
「愛してる」
「そして────いつも、ありがとう」
なんだか言葉を紡ぐうちに、目尻が熱くなってしまって
必死に涙を堪えながら精一杯微笑むと、環は両手をぎゅっと包み込んで、コツンとおでこを合わせた
「俺も、本当に幸せだよ」
「ずっと、…愛してるから、A」
ありがとう、と掠れた声で囁いて微笑む環と、少しの間
この、溢れるほどの幸福を、寄り添いあって、分かちあっていた────
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
