天喰くんと目撃 ページ17
抱き締めた身体は、想像していたよりも華奢で、髪の毛からは甘いシャンプーの匂いがする
全身が心臓になったかのようにドクドクと高鳴り、身体中が熱くなる
(駄目や、離れろ、俺！
抱き締めるつもりなかったんに！)
そう頭に言い聞かせるのに、腕はどんどん彼女を包んでいく
「ファット、ガム…？」
驚きと戸惑いに震えるAの声を聞いたとき────ハッと、我に返った
(駄目や、このまま抱きしめとったら)
(もうこの気持ち隠しきれへん)
(この気持ちは────仕舞おう)
ファットガムは覚悟を決めて息を吐くと、バッと身体を離した
「すまんな、田畑ちゃん！急に目眩してもうて！」
あはは、といつものように笑ってみせると、ほんのり赤く染まったAの表情はコロッと変わった
「え、大丈夫ですか…！？この間の疲労が溜まってるんじゃ…」
「んー、そうかもなぁ、まぁ良くなってきたから平気みたいやわ」
頭を押さえるファットガムの顔は、心做しか赤い
「そうですか…？取り敢えず、ココア飲んで少し休憩しててください」
マグカップを受け取ると、ファットガムは嬉しそうに「…おおきに」とはにかんで出ていった
静まり帰った給湯室で、Aは台に手をついて片手で鳴り止まない胸を押さえた
「…びっくりした」
突然の抱擁、何かを求める耳元の囁き
(ファットガムの囁き…切なかった)
身体中が熱くなる
力強い腕と、熱い温度、その声音に────不意に、この間の天喰の温もりを思い出した
「…っ！」
ぶわっと、比にならないくらい全身が熱くなる
心臓が更に速く、強く高鳴っていく
(…確かにさっきは驚いたし、ドキドキしたけど)
『…相変わらず泣き虫だね、Aさん』
天喰の声音が、フラッシュバックする
(なにか、違う、天喰くんのとは…)
(あのとき、そうだ、私…思った)
もっと、触れて欲しい
Aが自分の想いに、気づいたそのとき────
「……」
隣の資料室の中で、天喰は嫌に鳴り響く危険信号の様な鼓動だけを聞いていた
(ファットガムが、Aさんを…)
見てしまった、資料室から出て、不意に給湯室を見れば────ちょうど、ファットガムがAを抱き締めていたところだった
隠れるように資料室へ引き返し、この状態だ
(…モヤモヤする)
思い出すだけで、胸が詰まりそうだ
天喰は暫く、資料室でその原因を考えていた────
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
