167本目〜直血の運命〜 ページ20
コウタside
お爺ちゃんの写真が飾られた仏壇の前で座り、エンマ大王は手を合わせ目を閉じた。
その斜め後ろ辺りで控える様にぼくも座った。
お爺ちゃんは、ぼくがまだ3才の時に病気で死んでしまった。お葬式の時、ぼくはわんわん泣いたのを覚えている。
あれからもう8年も経つのか.....
なんて事を思い出していると、エンマ大王はふと目を開けて合掌をやめ、お爺ちゃんの写真をじっと見詰めた。
エン「________もう、70年も前になる」
不意に、エンマ大王が口を開いた。
エン「お前のじーさん、恭助がまだお前と同じ位の歳だった時、恭助は俺達妖怪と共に史上最悪の災厄、どんどろを封印した。恭助は、20世紀最強の陰陽師だった........」
懐かしむ様に写真を眺め、穏やかな声で語った。
エン「......だが、あいつがどんどろを封印してムゲン地獄の奥底に閉じ込める事が出来たのは、この犬神家の人間が脈々と受け継いできた"ある力"のおかげだった」
うちに伝わる"ある力"?
そんなものがうちにあるなんて聞いたことがない。お父さんもお爺ちゃんも、そんな力の話なんて全くしていなかった。
エンマ大王はこちらを振り返り、答えに窮しているぼくを見て小さく息を吐いた。
エン「......その様子じゃ、恭助は何も伝えてないみたいだな。酷な事しやがるぜ」
苦い笑みを浮かべ、それを写真に向けた。
エン「まぁ、あいつの気持ちも解らなくはない。なんせ、その力は命を削る禁術だからな」
命を削る、禁術......
一体、どんな力なのだろうか。
エン「_________知りたいか?」
厳かで威厳のある、だが静かな声で、王はそう問うた。
コ「.......うん。知りたい」
ぼくら陰陽師がひっそりと受け継ぎ、お爺ちゃんがひっそりと隠した真実。
それが今、姿を現そうとしていた。
エン「なら、話そう。恭助が隠した禁断の力、『鬼紋』の話を________」
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ミナズキ(プロフ) - 和奈さん» これは第一シリーズから見た方がなんとなく解ると思うので、【妖怪ウォッチ】妖怪ウォッチdazeと検索すればたぶん出る筈です。このシリーズを見てくださりありがとうございます! (2016年3月6日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
和奈 - この作品の1から見たいのですが、何と検索すれば出てきますか? (2016年3月6日 21時) (レス) id: 66e0ba6353 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - アンケートはまだまだ募集中です。どこかご協力下さいませ! (2016年1月9日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
火車 - ミナズキさん» そう言って頂けて私も嬉しいです…(*^_^*) (2016年1月4日 19時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 火車さん» いえいえ。アンケートに参加くださりありがとうございます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ:http://uosv.org/p/ai0613
作成日時:2015年12月15日 21時