【妖怪ウォッチdaze2】進化と行進【第５章】

158本目〜空白の千年〜 ページ11

_______２代目神蛇が行方を眩ませたその日から200年、我ら白ノ九蛇は各地へ散り、主を探していた。だが、何処をどう探しても結局は見付からなかった。

我らは一時都へ戻り、話し合った後、再び全国へ散った。
人喰い蜘蛛退治から200年も経てば、当然神蛇の信仰は薄れる。
人間は我らを神の使いではなく、人喰い妖怪として捉え、都から追い出した。

それからの数百年、我は山の中に身を潜め、そこで山賊を喰いながら時を過ごした。


紅「________100年程経った頃か。森の中に人間の娘が迷い込んだ。あの者は実に奇妙な女だった。我を一切恐れず、まるで友と話をするように、我に語り掛けて来るのだ」

口元に微笑を浮かべ、とても懐かしそうに話す紅蓮だったが、その橙色の瞳には、哀しみの色しか読み取れなかった。




_______娘は定期的に我の元へ来るようになった。我は関わるなと警告したが、娘は聞き入れず山の中に入った。
娘は我の元に来ては自身の村での出来事や失敗談をしてくれた。

今思い返せばくだらない話ばかりだったが、何時しか娘の声を聞くのが楽しみになってしまった。

だが、ある日。突然娘は来なくなった。

娘は１日も欠かさずにここへ来ていた。我は嫌な予感を覚え、娘の村へと降りた。

あの時娘が我の警告を聞いていれば、あるいは避けられたかも知れなかった。


だが、もう遅かった__________





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