19. 最初の撮影 ページ47
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２０１３年、５月２０日。
それまで防弾少年団のメンバーを公開してきたブログが閉鎖し、代わりに公式ホームページが開設され、そこで防弾少年団の正式なデビューが発表された。
「これにて、撮影終了でーす！ お疲れさまでしたー！」
映像監督から、終わりの合図が告げられる。
防弾少年団の８人のメンバー達は、ようやくほどけた緊張に、ほっと息を吐いた。
JH「やっと終わったー！ イェーイ！ みなさんお疲れまでしたー」
YG「眠い。まじで眠い。眠い……」
RM「ユンギヒョン、顔がいつも眠そうだから全然伝わってきませんよ」
デビュー曲のミュージックビデオの撮影は、昼夜問わず撮影を続けた結果、３日目にしてようやく終わりを迎えた。
欧米の若者の溜まり場を彷彿とさせるセットが、スタッフの手に寄ってどんどん解体されていく。
JM「レン……それにしても君って本当、着るモノでイメージ変わるよね」
今回の衣装は、黒を基調にデザインされた所謂ストリート系なのだが、Aは厚手のビッグパーカーに身を包み、ボトムは白いラインの入った細身の革パンツという、本来のイメージとはかけ離れたルックをしている。
しかも靴は白の厚底バッシュ。
アクセサリーは殆どしていないものの、元の綺麗な顔立ちもあって異様な迫力を放っている。
そして何より、そのヘアスタイルだ。
髪色は黒いままだが、以前よりも伸びた前髪と襟足。
全体的にゆるく施されたパーマ。
正面から見ると一見ただのマッシュヘアに見えなくもないが、よく見れば伸ばされた襟足がその独特な雰囲気を更に深めている。
目は前髪で隠れているし、どこからどう見ても“男”にしか見えない。
JN「さっきもテヒョナと言ってたんだけど、ほんと今のレン、一歩間違えたらサイコパスだよ」
TH「ナイフとか持ってそう〜」
JM「足が細いから、余計にね」
しかし何を言っても、Aは軽く苦笑を浮かべるだけだった。
JN「おいジョングギ！ お前もそう思うだろ？」
ジンが少し離れた場所で黙っていたジョングクに声を掛ける。
JK「……まぁ、“女”には見えないですね」
ジョングクは、そんな意味深な言葉を残して撮影スタジオから出て行った。
JN(はぁ……やっぱり“あの日”から、更に刺々しくなってる……)
ジンは周囲に悟られないように溜息を吐く。
JN(……でも、こればっかりはしょうがないのかな)
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
