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ホソクが尋ねると、Aはチラチラとジミンの腹を見る。
ジミンはまた顔を赤らめて「いや、だから冗談だって……！」と慌てふためいている。
JH「もしやお前……腹筋割りたいの？」
何となくAの言わんとしている事が分かったホソクは、迷いながらもそう問いかける。
するとAは、やはりまた罰の悪そうな顔で静かに頷いた。
JH「……いやいや……いやいやいやいや。ダメでしょ、それは」
ホソクはシックスパックのAを想像して、目を据わらせる。
Aの魅力は、女と男の狭間にいる美しさがあってこそだ。
それがムキムキになってしまったら、もはや魅力的というよりただの変態に見えやしないか？
JH「どしたの急に！ 今まで割りたいなんて言ってなかったよな！？」
「だけど……」
JH「まじでやめろって！ それだけは絶対にダメだ！ ムキムキはジミナだけでいいんだよ！ な！ ジミナもそう思うだろ！？」
するとジミンはしばし目を伏せたあと、げんなりとした表情でどこか遠くを見つめた。
おそらく、ムキムキのAを想像してしまったのだろう。
JH「ほら、ジミナもそう思ってるみたいだし！ ここは俺らの意見に従って……」
「……駄目、なんだ」
JH「……え？」
「僕は、君達の足枷にはなりたくない」
いつも深い何かを孕んでいたはずの瞳が、今は陰っている。
ホソクはAの言っている意味が分からず、戸惑い気味に笑うしかできない。
足枷って、一体……。
***
その後、重い空気を漂わせたままスタジオへ向かった３人は、振付を考える作業に取り掛かった。
JH「ん〜。じゃあ、こういうのなんてどう？」
JM「かっこいいですね。でも、この曲には少し雰囲気が」
JH「だな〜。あー、難しいな！ そもそもこの曲、ダンス曲っぽくないし！」
あれこれ試行錯誤を繰り返して数時間。
もはや三人ともこれといった案は出尽くし、路頭に迷っていた。
JM「そうですね。……それに、僕のやってきたダンスとは毛並みがまるで違ってて……」
防弾少年団の記念すべきデビュー曲として与えられた楽曲は、代表の望み通りヒップホップ色を前面に押し出したものだ。
一言で言うと、超〜ワルい。
完全にワルの曲だ。
JH「ワルい奴らって、まじめに踊るイメージないんだよなぁ。きっちりしたダンスは有り得ないし、かと言ってダラダラ踊るのもブレイクダンスもちょっと違う……」
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
