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JM「正直……僕は本当にデビューさせてもらえるのか、不安なんだ」
スタジオの隅にあった椅子にAと並んで座りながら、ジミンはぽつりと言葉を零した。
JM「ここに来るまでは、自分に自信があったけど……。
他のみんなは皆、かっこよくて、背も高い。それに比べて僕は……」
「“何もない”って？」
先程の子供のような表情はどこかへ消え、すっかり元の天使の微笑みに戻っていたA。
表情を崩さないまま、まるで心を読んでいるかのようにジミンの気持ちを言い当てる。
JM「僕はダンスが得意だったけど、ここにはホビヒョンがいて、それに……Aもいる。
それぞれ違う良さを持ってるのは分かってるけど……みんなはかっこいいし……」
ジミンは、実を言うと完璧主義な一面を持っている。
それは彼の良さであり、彼をこうして追い詰めてしまう要因でもあった。
「ジミナだって、かっこいいよ」
JM「見た目が綺麗なAに言われても嬉しくないよ……」
「綺麗……か。
まぁ、ジミナの気持ちも少しは分かるかな。
僕も他のメンバーを見てると、男らしくて、みんな自分にないものを持っていて……
自分を恥ずかしく思う時もある」
そんなAの意外な言葉に、ジミンは俯けていた顔を上げる。
「僕も、男に生まれたかった。……ここへ来て、より強くそう思うことが増えた。
でもこれは、仕方の無いことなんだ。
どう頑張っても、持って生まれたものはそう容易に変えることはできない。
だから僕には、ダンスや、音楽が、必要なんだ」
そう言うAの目はとても静かで、だが射抜くような、強い一筋の光を放っていた。
「ダンスがあれば、どんな壁も超えていけると僕は信じている。
僕にはあまりに大きすぎる“欠点”があるけど、僕にしかできないダンスもあるんだ、ってね」
ジミンは思う。
どうして忘れてしまっていたのだろう、と。
Aは性別の問題を抱えている。
だが、それをこんな風に時々忘れさせてしまうほど、彼女のダンスは唯一無二で、魅力的だった。
「ジミナは現代舞踊が好きで、ずっとやって来たんだね。
僕、今日やっと分かった気がする。
皆と同じ振りをしていてても、君の踊りだけはいつも勇ましい色気と、強かさを感じる、その理由が。
そしてそれは……僕や、きっとホビヒョンにもない、努力と愛が生んだ君だけの才能なんじゃないかな」
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
