趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

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歌い終わった。

がしかし、動揺が歌声に確実に乗っていた気がする。





コトリ、とAが静かにテーブルにマイクを置いた。

次いで俺も同じ様にテーブルに置く。




次の曲は入っていない。

画面からはカラオケの新曲情報が小さく流れている。







『……黙っててごめんね』




絞り出す様な声でAが口を開く。

先程と同様、俯いてしまっているのでその表情は伺えない。



我らがリーダーは先程からだんまりしている。

しかし狼狽えている様子ではなく、口元に手を当てて何かを考えているようだ。






――考えている。


なら、俺はフォローに入るべきなんだろう。

しかし上手い言葉が見つからない。

ふぅ、と小さく息を吐く。





さ「煮え切らない返事しかしないと思ったら、そういう事だったんだな」

『…うん』

さ「はじめから言ってくれれば、」

『だって…！』






Aがばっと顔を上げる。

その顔にははっきりと不安の二文字。









あーあ、さっきと同じ顔してら、



どうにもAは自己肯定感が低い様だ。

こんなにも凄い事を平然としでかしてるというのに自信がない。


…自覚はないんだろうな。






『はじめからchromeなんて存在しなかったんだよ？なんで黙ってた、騙してた、って怒らないの？』

さ「別に騙されてたなんて認識ないわ。そもそも事実に対して怒ったところでどうなるんだよ」

『…どうしてそんなすぐに受け入れられるの』

さ「どうして、って言われてもなあ…」





開き直って捻くれだしたぞこいつ…

どうしたらこいつの不安を拭いとってやれるのか、…それが出来なくてもどかしい。

言葉に詰まるのが俺らしくなくて、頭を掻く。









――――――――じゃあさ、







不意に、なーくんが口を開いた。




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