趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

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『あー……』




それは難しいかな、と頰を掻いている。





さ「なんで」



間髪いれずにさとみくんが食って掛かっている。






『なんでって言われてもなあ…あんまりメディア露出好まなさそうだし』

さ「そもそもchromeってAとどんな繋がりなん」

『さとみくん落ち着いてよ』




あまりの食いつき様にAちゃんは苦笑いしている。




な「身内の人？」

さ「いやこいつ弟いるけど違うね」

『なんでさとみくんが答えんのw』

さ「俺話した事あるから知ってんもん」

『まーそうだけどさあ』

な「じゃあお友達？」

『うーん…まあそんな感じかなぁ』





別に彼との間柄が友人だとしても別に違和感はない。

ただ、なんとも煮え切らない返答につい首を傾げる。








な「…もしかして彼氏さんとか？」







『いや、ちが』


さ「は、彼氏！？」






ガタ、と椅子を鳴らし声のボリュームが上がったさとみくんに俺とAちゃんがびくりと肩を揺らす。





さ「おま、俺そんな話聞いてねーぞ」

『違うから！話ちゃんと聞きなよさとみくん』

さ「じゃあなんなんだよ」





どういう関係だ、なんて問い詰めるさとみくん。




――何この光景。


まるで恋人同士の修羅場に遭遇した様……いや、これは娘に恋人の影がチラついて心穏やかじゃない父親って所かな。


思わずくすりと笑ってしまう。






『ほら、なーくんに笑われてんじゃん！』

さ「良いから答えろって」

『ちょ、さとみくん目が怖』

さ「逃げんな」

『う、』






じっ、とさとみくんに見つめられて逃げ道を失った彼女が言葉を詰まらせる。






『〜〜〜〜っ後々教えるから！』




はいもうこの話おしまい！







そう言って『なーくんごはん食べちゃおう』と促され反射で「あ、うん」と頷いてしまった。






さ「はぁあ！？おまえふざけんなよ」

『はいはい聞こえない聞こえない』

さ「それ絶対教えないヤツなの知ってんだかんな！」

『さーどうでしょうねぇ』






いつの間にか立場が逆転してるのが面白い。








二人は友達だって言ってたけど、旧知の仲なんだろう。







そんな関係が少し羨ましいな、と賑やかな二人を後目におかずをひと口頬張った。








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