フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

〃 ページ8

「ここにいる人は、いい人ばかりです」


それは、私が見ていて感じたこと。
個性的だけど、みんないい人ばかりで、だから余計、
遠ざけていることに罪悪感を感じていた。


「でも、私、人の信用に、信用で答えることができないんです」


それがつらい。
申し訳なかった。


「せっかく仲良くなっても、いつもどこかで、
本当は私のこと嫌いなんじゃないかって思って、信じられなくて、
そんな自分がいやで、だから、私、周りと距離を置いて、
嫌われるようにして、そうしたら、罪悪感もないから」


段々上手く伝えられなくなり、それに焦って余計語彙力が低下していく。
徐々に体に熱が集まる。感情が高ぶっているせいだろう。

少しでも伝わりやすいよう、言葉を選びながら、


「人の眼も怖いし、話すのも苦手だし、
私にとっても、相手にとっても、距離を置くのがが一番だって思って。
でも、人に嫌われるのはやっぱりつらくて」


助けを求めてしまった。


「――もう、どうしたらいいのか、わかりません」


みんなが優しいのは知ってる。
でも、それでも私は信じれない。

それが申し訳なくて、辛くて、何より自分が憎かった。

涙がこぼれないよう上を向くと、目が合う。
やっぱり怖くて、そらしてしまった。

けれど、ケイジさんは優しく私を抱きしめてくれる。


「大丈夫だ、おまわりさんがついてる。
信じてくれなくてもいいから、頼ってほしい」

「……っ」


いつも嫌われることで遠ざけていたから、
他人に優しく声をかけてもらったのは久しぶりだった。

だから、すっかり丸め込まれてしまったのだ。

人を信じれないなんて嘘。

何度裏切られても、結局信じてしまった私。

なんて、愚かなんだろう。


「あんな人たちのことなんか、早く忘れた方がいいと思うよ。
彼らと違って、君を裏切る人は、君の世界にいない」

「そう、ですかね」

「ああ」







私は気づかなかった。
気づけなかった。

私の肩を優しく抱く彼が、そっと笑みを浮かべたことに。
″あんな″なんて、見たことがあるような口調で言ったことに。


気づいていれば、何か変わっていたのかな。
なんて、今更だけど。





窓にはめられた鉄格子を撫で、今日も私は、
彼の帰りをただ待つだけの時間を送る。


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リクエストありがとうございました。

病んでる感出たかな……？うーん、難しい。
これでよかったですかね？
何かあればまたコメにてお伝えください。

徒花の館　蒼刃　リク→←キミガシネ　ケイジ　リク

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