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颯side



颯「おはよーございまーす」


医局に入ると、横峯、灰谷、緋山先生が顔を上げた。


横「おはよ」


灰「おはよう、名取先生」


緋「あ!名取ー!あんたさぁ、今月の十五日なんだけどさ、あんた早番で私当直なんだけど、シフト代わってくんない?友達との約束がそこにズレちゃってさぁ」


颯「あー、すみません。その日はちょっと……」


緋「なんか予定でもあんの?」


颯「ちょっと家の方で用事があって」


横「叔父さんの病院の後継者決めとか?」


叔父さんの家、俺が十年前までお世話になっていた家は名取総合病院の医院長の家。


俺の母さんの義兄に当たる人だ。


養子の形で迎え入れられたけど、俺なんかよりよく出来た従兄弟がいたから、大にぃの提案をあっさり引き受けて、解放してもらった。


俺は叔父さんの家に関係かく救命医になりたかったから、家を出てからも医者を目指した。


颯「そうじゃない。というか、叔父さんの病院は叔父さんの息子が継ぐから俺には関係ない」


横「えー、じゃあ何があるの?会食?」


颯「普通に誕生日会だよ……」


しつこいなぁ、とか普通に思う。


別に俺の予定とかどうでも良くない?


灰「叔父さんか従兄弟の?」


颯「兄の!」


なんで何でもかんでも叔父さんと従兄弟に繋がんだよ。


緋「え、あんた兄弟いんの?」


颯「あれ、言ってませんでしたっけ?」


これに関しては正直驚いた。


あー、でも言った記憶ないかも。


横「仲良いんだ」


颯「まあな」


兄弟の話になると俺はニヤけると学生時代の友人によく言われたから、なんでもない風を装ってデスクにカバンを置いた。


その時、仮眠室から話を聞いていたらしい白石先生が出てきた。


白「緋山先生のシフトは私が代わるわ。その日丁度暇になっちゃったから」


何故かしょんぼりしている白石先生も、いろいろあるんだろう。


緋「ありがとう!助かるわ」


緋山先生は……何かあっても大丈夫なんでしょ?


緒方さん、いるもんね……。


俺は初恋の記憶を振り払って更衣室に入った。

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名岡颯貴(プロフ) - ?さん» ありがとうございます!とっても励みになります!誠心誠意書かせていただきます! (2020年7月1日 23時) (レス) id: 9fd7fb69f1 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみに待ってます! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 5ebe61a63e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名岡颯貴 | 作成日時:2020年6月28日 16時

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