好中球でも恋してます。 (ページ6)

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自分よりも大事な人ページ6

Aside

4989番の背後に回りこみトゲの集中攻撃を受ける。
私の背中は、トゲだらけだ。
白い戦闘服の後ろ半分はほぼ血が染みている。
運の悪いことに、お腹にトゲが、一本貫通している。
お腹から血が口に来る感覚。
口に血が溢れそうになり、血を飲み込む。

「ゴホッ、、、ゲホッ、、4989番、、、、、ゴホッゴホッ、、、大丈夫？、、ゲホッゲホッ、、、」

激しく咳き込み、口から血か流れでていく。4989番に声をかける。
喉は血の味がする。
4989番は振り返った。

4989「A番？！お前の方が重傷だぞ！俺は一発も喰らってないから、お前は自分の心配しろ！」

「そ、、、、う、、、、だね、、、」

そう言った瞬間、吐血する。
4989番の胸のあたりにかかってしまった。
急に一気に力が抜ける。
それを目撃した細菌が、私に向かって鉤爪を伸ばす。正面を向いてナイフで止めようとしたが、間に合わず、頭に喰らう。
痛すぎて声が発せない。
バランスを崩し、無抵抗に私は倒れた。

そのあと血小板ちゃんが現場に来てくれたため、フィブリンで傷口が塞がれている。
なら、安心だ。
他の血球が襲われることはないだろう。
おっと、最後に残った細菌が私に向かってきてない？
案外楽しい人生だったな。

私は、一瞬死を覚悟した。

4989「こいつには、これ以上怪我させない。」

向かってきた細菌を4989番は刺し殺す。
私は閉じた目を開くと、、、、

そこには、返り血を浴びた4989番と私に刺さったトゲを抜いている2626番がいた。

2626「A番、また頑張り過ぎたんだな。」

そう言いながら私が少しでも痛みを感じないように優しくトゲを抜いてくれている。

2626「一次凝集は俺らが行くから4989番はA番をマクロファージさんのところに運んでA番を手当てしてもらえ。」

4989「わかった。A番もう少しだけ我慢してくれ。辛かったら無理しないように。寝ててもいいからな。」

4989番は私を抱えて走りだした。
お姫様抱っこをされていて結構ドキドキした。

そのあとは、結構リラックスしていた気がする。