無個性の俺がブラック本丸をどうにかするっていう話【刀剣乱舞】【ヒロアカ】【男主】

まずは日常 ページ3

『………おりゃっ！！！』



氏繁「………まだまだだなー」



『ぐぬぬ』



俺は目の前の男に木刀を向けるも男は華麗に避け、木刀の先を弾きとばし、豪快に笑った


男の名は手柄山氏繁
俺が常に持ち歩く愛刀だ


なぜそんな刀の彼が人型で俺と剣を交えているかというと、本人曰く俺の霊力が高いかららしい
しかし彼の姿は他の人には見えず、かつ触れられると居なくなってしまう
個性なんて言えたものではない



氏繁「……それに、剣に邪心が込もり過ぎてるな」



『………わかる？』



氏繁「もちろん」



『………うちの刀くんは鋭すぎる。』



氏繁「なにかあったのか？」



氏繁がそう言って床にひっくり返る俺を見て座りながら言った
俺はぼんやりと天井を見つめる



『あ、あそこの木の模様、ネコみたい』



氏繁「…………」



『……やっぱり、悔しいなって』



氏繁「…………雄英か？」



『うん。絶対合格するとまでは言わないけど、出久たちは受かったからね』



氏繁「…………今回のは、試験内容が悪かったと思うぜ」



『氏繁は優しいね』



氏繁「…………事実だ」



俺は氏繁に冗談混じりに笑いかけたものの、氏繁の真面目な表情に再び天井を見た



氏繁「………アキの実力ならきっ」



『俺が悪いんだよ』



俺は氏繁の言葉を遮り言う
わかっている
氏繁が言おうとしていることなんて
でも、今はその言葉が一番辛い



『俺は、敵前で逃げた。無理だからって簡単な方に逃げた。そこまでの話だよ』



目の上に腕を乗せる
じんわりと右腕の甲の部分が濡れた気がした



氏繁「………そうか」



俺の幼なじみの勝己と出久は合格だった
勝己はまだしも出久は俺と同じ無個性
それなのに合格した



恨み辛みを言うのは簡単だ
憎んでないのかと聞かれたら頷くことは出来ないかもしれない



それでも、俺は彼らを心から称賛する



俺がモタモタやってる間に2人はどんどん進んでいただけだった
それに気付くのが遅かったんだ



それが悔しくてしょうがない
あの時理由を付けて逃げた自分が憎い
2人に対して出てくる恨み辛みはきっと自分に言いたいことになるんだと思う



『………だから俺はもっと強くなる！！！』



氏繁「…………油断したな」



俺の木刀が氏繁の首に当たっている
氏繁が軽く微笑み、下を向く


『………氏繁？』



氏繁「油断大敵！！！」



『うわっ！！！』



氏繁「…………頑張って強くなれよー」



『うがぁぁあ』

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